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巨人は“即戦力”の廣畑敦也を狙う? 左腕が欲しい西武は甲子園を沸かせた21歳に熱視線…目が離せない《ドラフト社会人&独立Lリスト》
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph byPABB-lab
posted2021/10/08 17:01
栗林や岸らの活躍で即戦力として期待される社会人&独立リーグの選手たち。今年も(左から)廣畑、山田、藤井ら好素材が揃っている
廣畑に次ぐ有力な上位候補としては山田龍聖(JR東日本)と森翔平(三菱重工West)のサウスポー2人の名前が挙がる。
山田は高岡商時代の3年夏に出場した甲子園で、春夏連覇を達成した大阪桐蔭を相手に敗れたものの11奪三振、3失点完投と好投し、大会後にはU18侍ジャパンにも選出されている。社会人では昨年までの2年間は伊藤将司(阪神)の存在もあって目立った実績を残していないが、今年はエース格へと成長。まだ少しばらつきはあるものの、指にかかった時の150キロ前後のストレートは威力十分で、チェンジアップのブレーキも申し分ない。
9月8日に行われたJFE東日本とのオープン戦には9球団が集結したが、オリックスは4人、左投手を優先していると見られる西武と阪神は3人体制という力の入れようだった。今年で21歳という若さも魅力で、1位の12人に入ってくる可能性も高い。
森も関西大時代から評判のサウスポーで、昨年はルーキーながらNTT西日本の補強選手として都市対抗野球にも出場。今年は不動のエースとなり、9月に行われた都市対抗予選でも4試合に登板して自責点0の好投でチームを本大会出場に導いた。
バランスの良いフォームから投げ込むストレートはコンスタントに145キロを超え、サウスポーらしいボールの角度が光る。本格派左腕ながら制球力も安定しており、1年目から一軍の戦力としても期待できる存在だ。
独立リーグから初の1位指名も?
独立リーグの投手で面白いのが今年スタートした九州アジアリーグに所属する火の国サラマンダーズのサウスポー、石森大誠だ。
東北公益文科大時代から一部では名前の知られた存在で、昨年はチームの前身とも言える熊本ゴールデンラークスに所属し、本大会での登板こそなかったもののHonda熊本の補強選手として都市対抗にも出場している。
独立リーグでのプレー1年目の今年はチームの抑えに定着すると、リーグトップの19セーブをマークし、奪三振率15.61という圧巻の成績を残した。少しコントロールが乱れることはあるものの、最速155キロのストレートは迫力十分で、ソフトバンクの三軍を相手にしても、力で抑え込む投球を見せている。これだけ力のあるサウスポーは大学生、社会人にもなかなかいないだけに、展開次第では1位、2位の上位指名に食い込んでくる可能性もありそうだ。