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「ロジャーは完璧だ」「ケイはケガがなければトップ5に」 ナダルがココだけに語る“BIG3のライバル観”と錦織圭への助言
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byHiromasa Mano
posted2021/10/10 17:02
赤土の王者ナダルが独占インタビューに答えてくれた
「よく知られるように、私は芝のコートがあまり得意ではない。それを乗り越えて優勝できたことに特別な意味があった。まさか芝の上で、ロジャー・フェデラーに勝てるとは想像していなかった。アドレナリンが出まくった試合だった」
ノバク、マリーも含めて意識を高めてくれた
――フェデラーはナダルがいたから自分が成長できた、ナダルに感謝したいと語っています。あなたにとっても同じですか?
「ロジャーのようなチャンピオンと何度も対戦したら、自分を成長させたいという気持ちが自ずと湧き上がってくるものだ。
私はキャリアの中で、トッププレーヤーと出会う機会に恵まれた。ロジャー、ノバク、そしてアンディ・マリーだ。
テニスの歴史を振り返っても、グランドスラムの優勝者をこれだけ限られた選手で占めていた時代を見つけるのは難しい。特別な選手たちと同時代にいることが、自分の意識を高め、厳しいトレーニングに向かうのを助けてくれた。
優れた選手とは、グランドスラムを1度優勝した人のことではなく、毎年成功を追い求め、毎年トップレベルで競える人のことだ」
――「ビッグ3」はテニスの歴史において、どんな意味があるでしょう?
「歴史的と言われる他の出来事と比べるのは簡単ではないが、私たちが長年優勝を争ったことが、テニスの認知度アップに貢献したことは間違いないと思う。子供たちの模範になることを常に意識してきた」
若手の台頭をどう見ているのか
――次世代の選手について聞かせてください。アレクサンダー・ズベレフ(24歳、ドイツ)、ステファノス・チチパス(23歳、ギリシャ)、デニス・シャポバロフ(22歳、カナダ)ら若手の台頭をどう見ていますか?
「まだ私たちビッグ3の壁を越えられてはいないが、ものすごく成長しているのは間違いない。
ステファノスは今年の全仏で決勝に進んでノバク相手に素晴らしい戦いを見せ、ズベレフは昨年の全米で同じく決勝に進んで優勝に近づいた。
個人的にはダニール・メドベージェフ(25歳、ロシア)とドミニク・ティーム(28歳、オーストリア)にも高い能力を感じている(※メドベージェフは、このインタビュー後に行われた全米オープン決勝でジョコビッチを倒して優勝を果たした)」
――ビッグ3に追いつく可能性が高い若手は誰だと思いますか?