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「W杯が夢から目標になりました」「今季は20ゴール以上」古橋亨梧の成長に水沼貴史も驚いたワケ《たった4年でJ2→J1→欧州》
posted2021/10/06 17:03
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph by
Getty Images
※インタビューは復帰を控えた9月27日に実施しました。
水沼 今回の取材にあたり、周囲の方々に古橋選手の印象を聞いてきました。以前に(出身大学である)中央大サッカー部監督の佐藤健さんも言っていましたが、みんな口を揃えて「真面目で、一生懸命練習している」と。たった4年でJ2→J1→欧州挑戦というステップアップができたのは、そういう姿勢が大きいと思うのですが、自分の中ではどう感じていますか?
古橋 一番に言えるのはこれまでたくさんの方に出会えて、一緒に仕事ができて、応援してもらえたからこそ、成長できたということ。正直、自分でもここまで順調にいくと思っていなかったです。岐阜に拾ってもらって、そこから神戸に呼んでもらえて、本当に良い選手たちに囲まれていたからこそ、今の自分がある。こっちに来ても、代表に呼ばれても、今まで通り泥臭く、しっかり階段を一歩ずつ登っていきたいなと思っています。
水沼 プレーもそうだけど、成長曲線に関しても、本当にスピード感があるよね(笑)。自分で一番大事にしているものはありますか?
古橋 ずっと「後悔しないようにやる」という気持ちは大事にしています。そう言いながらも、試合を終えて後悔することが多いですが、それでもその数が減るように、自分が決めたことは曲げないように、と意識しています。
「忙しい小学生でした(笑)」
水沼 サッカーはいつから?
古橋 3歳から水泳をやっていて、サッカーは小1からです。小学校の時は毎日のように水泳とサッカー両方をやっていたので、忙しい小学生でした(笑)。土日は朝からサッカー、練習が終わった1時間後にはプールで泳いでいましたから。
水沼 プールは、クールダウンじゃなくてでしょ?(笑)
古橋 ガッツリ1時間半ぐらい泳いでいましたね(笑)。小6の時に、これ以上タイムが出ないと思ったので、中学からサッカーに専念しました。
水沼 高校は興国。近年はJリーガーに何人も輩出していますね。マリノスで開幕スタメンを掴んだMF樺山諒乃介(現・モンディオ山形)のことは16歳頃から知っていますが、テクニックがあって面白い選手ですね。武器が明確な選手が多い印象です。
古橋 内野先生(内野智章監督)の話を聞いて、ここでなら自分の特徴を伸ばせると思いましたし、すごく面白そうだなと思って入学しました。最近の実績は本当にすごいですよね。シンプルにすごいなって見ています(笑)。
水沼 すごいなって言いますけど、古橋選手たちが作り上げたものがつながっているんですよ。こうやってトップレベルで活躍する姿は高校生たちにとっても刺激になっているはずです。
古橋 いやいや、まだまだです。たぶん、内野先生からも「まだまだやぞ」と言われるはずです(笑)。
でもそうやって自分が活躍することで、1人でも多くの子がサッカーを始めたり、興国に入る子がいるならば、すごく光栄なこと。プロを目指すなら、プロに入って終わりじゃなくて、試合に出て活躍する選手になってほしいなと思います。