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阪神・佐藤輝明の59打席連続無安打とロッテ和田康士朗が狙う「独立L→育成→盗塁王」 成績の背景を見ると…〈週刊セパ記録〉

posted2021/10/05 11:03

 
阪神・佐藤輝明の59打席連続無安打とロッテ和田康士朗が狙う「独立L→育成→盗塁王」 成績の背景を見ると…〈週刊セパ記録〉<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/Sankei Shimbun

阪神の佐藤輝明とロッテの和田康士朗。優勝争いとともに記録という面で2人の終盤戦にも注目が集まっている

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Kiichi Matsumoto/Sankei Shimbun

 今季の阪神の大型新人・佐藤輝明ほど、「明」と「暗」がくっきり分かれた選手はいないだろう。

 前半戦は、オールスター前までに20本塁打、阪神では田淵幸一以来の大型新人として注目を集め、オールスターではファン投票1位で選出された。

 だが……後半戦に入ると、前例のないような絶不調に陥るのだ。

<佐藤輝明の月別成績>※以下、2021年の成績は10月4日時点
3・4月 106打26安7本19点 率.245
5月 73打22安6本19点 率.301
6月 88打25安6本10点 率.284
7月 44打10安1本4点 率.227
8月 54打12安3本8点 率.222
9月 25打0安0本0点 率.000
10月 5打0安0本0点 率.000

 オープン戦から本塁打を連発し、開幕戦は6番右翼で先発。2試合目には第1号が飛び出し、以後は中軸打者として活躍した。7月頃から徐々に打球が飛ばなくなったが、オリンピックブレーク明けからは大スランプに陥った。

 筆者はオールスターでのホームラン競争を見たが、佐藤輝明はバッティング投手の球でさえも空振りしていた。このころから調子がおかしくなっていたのだろう。

野手としては最も長い連続無安打に

 そして8月21日の中日戦の第4打席で中前に安打を打って以降、安打が出なくなり、ついに59打席無安打という記録を作ってしまった。

<NPBの連続打席無安打記録> ※は投手
・77打席
1964年 嵯峨健四郎(東映)※
・63打席
1966年 佐々木宏一郎(近鉄)※
・59打席
2021年 佐藤輝明(阪神)
・57打席

1955年 大石正彦(大洋)※
・54打席
2001年 入来祐作(巨人)※
2003年 黒田博樹(広島)※
・53打席
1960年 村田元一(国鉄)※
1962年 中村稔(巨人)※
1968年 板東里視(近鉄)※
1993年 トーべ(オリックス)

 野手としては、1993年のトーベを抜いてNPB史上1位になってしまった。この間、佐藤の打撃の内訳は以下の通り。

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