水を遮りすぎると固まりすぎてしまう

「やっぱりイベントや試合がある日の天気が悪い時は、気をもみますよ。『雨が降る』といっても雨量はその日ごとですし、上がる時間も決まっているわけではない。もし14～15時くらいまで降り続けていたら……となりますからね。かといって、あまりに土から水を遮りすぎると、必要以上に固まりすぎてしまう。なので、固い状態のところで適量の雨が降ると、土がちょうどよく柔らかく、ほぐれてくれる。そのタイミングでうまく整備できれば、すごくいいグラウンド状態ができるんですよ」

甲子園の土が入れられた台車が各所にあった

　最高の「甲子園」を作るために、雨もまた絶妙に利用している……。「神整備」の普段では見られない神髄に少し触れられた気がする。この神業、プロ野球だけでなく高校野球などでも発揮されているのだから恐れ入るばかりだ。

　って、あれ？ 高校野球は朝からやってるけど、阪神園芸はその期間、どうやってグラウンド管理をしているのだろうか。そんな疑問も湧いてきた。　＜第2回に続く＞

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