スポーツ百珍BACK NUMBER
阪神園芸“中の人”に直撃… 雨続きだった夏の甲子園「大変だったけど水はけがよかった」理由とは《大会期間は朝6時半出社》
posted2021/10/01 11:03
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Satoshi Shigeno
午前中から丹念に阪神甲子園球場の内外野を整備していた阪神園芸の皆さん。その技と連係にプロフェッショナリズムを感じたわけだが、甲子園がこれだけのグラウンドのクオリティを保てている理由や知られざる「阪神園芸の“中の人”事情」について、スポーツ施設本部・甲子園施設部長の金沢健児さんが子細に教えてくれた。
ノックが始まる7時半頃には仕上げておく
――実際にプロ野球が開催される午前中の準備を見せてもらいましたが、高校野球の場合はどのようなスケジュールで進むんでしょうか。
金沢 夏の甲子園で多い、4試合日のケースで説明しましょう。基本の出勤時間は6時半になります。前の日に天気が悪かったりしたら、もっと早くなることあるんですけど、6時より早く出勤するというのはなかなか……電車が動いてなかったりもするので。もちろん寮生がいたり、近くに住んでいる従業員も多いんですけどね。
――朝6時半から……本当におつかれさまです。
金沢 なので、前日に天気が悪くて、グラウンドが触れなかった場合、来ることのできる従業員だけ来てもらって、高校野球第1試合の8時プレーボールに向けてセッティングしています。
――先ほどの整備を見ていると、よくその短時間で間に合うな……という気がします。
金沢 8時プレーボールと言いましたが、両チームのノックが始まる7時半ころまでには仕上げておかなければいけません。ただ、高校野球の場合、前日にかなり整備ができるんです。
――え、そうなんですか?
金沢 はい。実は第3、第4試合、つまりその日の最後の試合後に整備して帰れるのは大きいんですよね。グラウンド整備は1時間。それで並行して芝刈りも1時間ぐらいでしょうか。翌朝はラインを引くのと、あと芝生にちょっと……と感じたところに砂を入れるなど、30分程度でできる作業だけ残しているイメージです。 高校野球期間中は人数が多いので、朝も2時間かかることはないですね。
高校野球期間はバイトも雇ってトータル25人
――高校野球期間中はどれぐらいの規模、人数で携わっているんでしょう。