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なでしこ五輪惨敗→逆風のWEリーグ開幕 「第3節までは注目してもらえると思いますが…」新規ファン獲得へ必要なものとは 

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海江田哲朗

海江田哲朗Tetsuro Kaieda

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/09/17 06:00

なでしこ五輪惨敗→逆風のWEリーグ開幕 「第3節までは注目してもらえると思いますが…」新規ファン獲得へ必要なものとは<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

WEリーグ開幕節のベレーザvs浦和。2000人超の観客を集めた中で、この注目度を継続できるか

 この日のチケットは完売となっていたが、新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインに則って制限され、入場者数はキャパシティのおよそ半分の2427人。浦和のサポーターを受け入れるビジター席の設置はなかった。

 選手たちの声とボールを蹴る音が響き、スタンドからのリアクションは太鼓と拍手のみで歓声はなし。新様式の運営にすっかり慣れたとはいえ、緊急事態宣言下、依然として続く自粛ムードのなかでの祝祭だ。

東京五輪で惨敗、なでしこリーグから大きな変化はなく

 また、本来はWEリーグ開幕の追い風としたかった東京五輪のなでしこジャパンは大会ベスト8で散った。欧米の列強が着実に力を伸ばし、彼我の差をまざまざと見せつけられる惨敗だった。

 2019年9月、元女子日本代表監督の佐々木則夫氏を旗振り役に「女子新リーグ設立準備室」を立ち上げてから2年。やっとこぎ着けた晴れ舞台が、まさかこのようなアゲインストの風にさらされているとは当時想像もしていなかっただろう。

 スタジアムの看板「#これは新しい日本のキックオフだ」のキャッチフレーズに強い意気込みが窺える。では、昨季までのなでしこリーグから様変わりしたかと言えば、そこまで大きな変化は感じられなかった。

 日陰に置かれる時代から連綿と受け継がれてきた、サッカーに対するひたむきさ。WEリーグもまたその延長線上にあるものだと思う。それは持ち続けたうえで、新しいファン層を開拓していくには興行としてエンタメの要素を獲得していかなければならない。

 試合後、会見に応じた岡島喜久子チェアは「第3節あたりまでは注目してもらえると思いますが、ここからどうやって観客を惹きつけていくかが課題。クラブとも話し合い、入場者数を増やしていく方策を考えていきたい」と話した。

「強力な外国籍選手と対戦するのが日常になれば」

 今後のWEリーグの発展は、なでしこジャパンの強化に直結する。近年、女子サッカーの国際情勢について、ベレーザの永田雅人ヘッドコーチはこう語った。

【次ページ】 岩清水梓が語るWEリーグとベレーザの未来

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