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<オフェンシブで勇猛果敢>新生ドイツ代表がW杯予選で3戦連続クリーンシート! フリック監督“3つのキーワード”が高める期待感
posted2021/09/16 17:00
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
監督交代は、サッカーの世界では日常茶飯事だ。実際、代表チームではクラブチームほど頻繁に監督交代があるわけではないが、それでも、交代劇の周期は数年であることが多い。
特にワールドカップやEUROといった国際ビッグトーナメント後は、仕切り直しを図ったり、マンネリを打破したり、思い切った方向転換をするために監督交代がセットで行われるケースは少なくない。
感謝はするもEUROでの負け方には納得はいかず
今回のEURO2020後には、ドイツ代表がその1つとなった。
15年にわたり代表を指揮したヨアヒム・レーブに別れを告げ、新たに元バイエルン監督のハンス・フリックが就任することになったのだ。
ドイツ代表のベンチ前にレーブの姿がないのは、2006年のワールドカップ以来。一方、2006年以降の日本代表監督の移り変わりを見ると、ジーコの後にイビチャ・オシム、岡田武史、アルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレ、ヴァヒッド・ハリルホジッチ、西野朗、森保一と現在が7人目。こちらの方が世界的に見ても平均的なところだろう。
その間、ドイツはワールドカップ3大会とEUROの4大会をレーブのみで乗り越えた。改めて、その長さに驚かされる。
いずれにせよ、長期政権を引き継ぐ後継者のプレッシャーは大きくなる。うまくいった時代の後なら、少しの失敗が指摘されるだろうし、うまくいかなかった時代の後は巨大な期待感で迎えられる。
現在のドイツ代表は完全に後者だ。
レーブへの感謝は、多くのドイツサッカーファンが持っている。ブラジルW杯優勝へと導いた功労者だ。だが、2018年のロシアW杯ではグループリーグで敗れ、「ドイツ代表はどんな大会でもタイトルを狙うという高い目標を持っている」という発言とともに迎えた今夏のEURO2020は決勝トーナメント1回戦で敗退。永遠のライバルであるイングランドに負けたということ、そして、負けたこと以上に、その負け方に納得いっていないファンは少なくない。