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「歴史を変えるチームだと確信があります」村元哉中&高橋大輔のコーチが語る、斬新な「ソーラン節」を採用したワケ<独占取材>
posted2021/09/07 11:01
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
KYODO
9月3日から米国フロリダ州で開催されたUSFSA(米国フィギュアスケート協会)認定の競技会「アニュアル・レイバーデイ・インビテーショナル」に村元哉中&高橋大輔が出場。リズムダンス(RD)、フリーダンスでいずれも1位を保ち、会場内の関係者たちから大きな歓声を受けた。
特に選曲が話題となった新RD「ソーラン節」を試合で初披露。従来の民謡のイメージを覆す、衝撃的なまでに斬新な作品だ。
ズエワコーチ「彼らは特別な存在なので」
音楽は日本人とフランス人の両親を持つアーティスト、マイア・バルーによる演奏でワールドミュージックテイストのアレンジ。白黒の衣装を身に着けて、コンテンポラリーダンスを基調とした振付である。
今季のRDの課題のパターンダンスはミッドナイトブルースで、膝の柔らかさやエッジの深さなどが採点の鍵となる。前半はバルーの個性的な歌声にのって深いエッジワークを披露し、後半ではパーカッションと琴の音色にのってロテーショナルリフト、トゥイズル、ミッドラインステップなどで盛り上げた。
筆者の独占電話インタビューに応じたマリナ・ズエワコーチは、まず選曲の理由をこう説明した。
「日本的な音楽を使うというのは私のアイディアでした。彼らは特別な存在なので、今季は他のチームにはできない作品を滑って欲しかったためです。多くの音楽をリサーチして、実際にこの曲を見つけてきたのはカナとダイスケでした。日本の伝統を基調としながらも、独創性のある洗練された作品に仕上がったと思います」
パワーアップしたフリー「ラ・バヤデール」
翌日に行われたフリーは、昨シーズンの「ラ・バヤデール」だった。有名なクラシックバレエの音楽を使用したプログラムだが、昨年度に比べて一つ一つの動きに磨きがかかり、リフトの難易度などがアップグレードされている。