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「歴史を変えるチームだと確信があります」村元哉中&高橋大輔のコーチが語る、斬新な「ソーラン節」を採用したワケ<独占取材>
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byKYODO
posted2021/09/07 11:01
北京五輪を目指す村元哉中&高橋大輔(写真は今年5月のアイスショーでの2人)
「私の生徒たちがトレーニングをする特別なジムがあるのですが、ダイスケはカナと一緒に週3日間そこに通っています。主にスタミナをつけるためです。ダイスケは以前より肩幅が増してウエストが細くなったでしょう。とても美しいダンサーの体形です」
ズエワ・コーチがそう語るように、高橋の体形は昨年と明らかに変わり、特に上半身の厚みが増したように見える。
昨季の世界選手権なら3位に入賞できる高スコア
この大会で二人が獲得したRD84.74、フリーダンス129.70。ISU非公認のローカルな競技会とはいえ、総合214.44という数値は昨シーズンのストックホルム世界選手権でなら3位に入賞できる高スコアだ。
ズエワ・コーチはこの結果をどう見るのか。
「私は彼らの能力を毎日見ているので、驚きではありませんでした。フリーでは音楽の解釈で10点満点を出したジャッジもいましたが、私から見ても、これ以上完璧なタイミングで踊れないという滑りだった。前から言っていますが、彼らは世界選手権の表彰台に上がれる能力がある選手。カナはすでに(前のパートナー、クリス・リードと)四大陸のメダルを手にしています。スケーティング技術が高いだけでなく、二人とも真のダンサーですから」
初戦だった2020年のNHK杯のスコアに比べると、RDで20.59、フリーダンスでは実に33.60ポイントも進歩したことになる。
「昨シーズンは、スコアのことは気にしていませんでした。初戦がGP大会なんて、ダイスケはどれほどのプレッシャーを感じていたことか。それをカナが精神的にサポートした。そして全日本ではウォームアップでカナが怪我をし、本番ではダイスケが支えた。二人のチームとしての相性の良さが明白でした。彼らは素晴らしい選手で性格が良いだけでなく、戦うことを恐れない戦士なのです」