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「今日で大復活」鷹木信悟がIWGP世界ヘビーの“呪い”を超えて復帰防衛! 悲願のG1クライマックス初制覇へ「昭和57年の最強を決めようじゃねえか」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2021/09/07 17:00
9月5日、新型コロナウイルスからの復帰戦にて、EVILにラスト・オブ・ザ・ドラゴンを仕掛ける鷹木信悟
BUSHIらロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバーたちが悪行を尽くすバレットクラブの面々を蹴散らしてくれた。
鷹木は強烈なラリアットをEVILに叩き込んだ。そして、EVILを抱え上げると、2度目のラスト・オブ・ザ・ドラゴン。30分20秒。鷹木は2度目の王座防衛を果たした。
「今日の結果をもって、鷹木信悟の大復活だ」
「しんどかったよ。この3週間、いろんな意味で、しんどかったよ。鷹木信悟、無事、ベルトを持ったまま、新日本のリングに帰ってきたぞ。いや、まさかの、コロナウイルスに感染しちまってなあ。試合するのは3週間ぶりだよ。不安がないと言ったらウソになるかもしれない。だけどオレは、その不安を消し去るために、やれる限りのことはやってきた。このご時世だよ。決してウイルスをオレはなめていない。だがよ、オレはプロレスラーだ。リングに上がれば、病み上がりとか後遺症なんて関係ねえんだよ。オレは今日、プロレスラーとして、1人のプロレスラーとして、意地とプライド、そして信念を背負って、ここに上がった。今日の結果をもって、鷹木信悟の大復活だ」
新日本プロレスは9月18日(大阪府立体育会館=エディオンアリーナ大阪)から31回目のG1クライマックスが始まる。秋の開催は昨年に続いて2回目。AとBの2ブロックに分かれた約1カ月の戦いの末、優勝戦は10月21日の日本武道館だ。鷹木自身は3回目のG1参戦になるが、初参戦の一昨年、2度目の昨年とも4勝5敗という成績だ。
鷹木はG1クライマックス2連覇の飯伏幸太、同じロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也がいるAブロックで戦うが、IWGP世界王者としての参戦だけに優勝したいところだ。
「よし、これでベルトを持ったままG1に参戦だ。オレはベルトを持ってるけどよ。『G1覇者』という冠が欲しいんだよ。棚橋(弘至)だって、オカダ(・カズチカ)だって、飯伏だって、内藤だって優勝してんだからな。だったらオレも優勝するしかねえだろう。それに飯伏と内藤が同じブロックか。おもしれえ。令和3年のこの時代に昭和57年(1982年生まれ)の最強を決めようじゃねえか」
鷹木はG1初優勝に意欲を見せる。新日本プロレスで看板タイトルであるIWGP世界を巻く以上、G1覇者の肩書もやっぱりほしい。