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佐藤光留プロデュース『真夏の変態祭り』で諏訪魔に大仁田、鈴木みのるも大暴れ! 灼熱の旧川崎球場で“1日6試合”の佐藤が感じたのは…?
posted2021/09/05 17:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
これはプロレスの大会というより、もはや“奇祭”だ。
8月22日、プロレスラー佐藤光留が自主興行を開催した。会場は富士通スタジアム川崎。かつての川崎球場だ。8月の野外大会で14:00開場、15:00試合開始。すなわち炎天下である。題して『真夏の変態祭り』。確かに、こんなことをやるのは変態だろう。
昨年に続いて2度目の開催。佐藤はこれまでUWFルールの『ハードヒット』など、観客が数百人という規模の興行を打ってきた。一気にスタジアムに進出したのは、コロナ禍の影響もあった。
かつてロッテオリオンズの本拠地として知られ、プロレス界ではFMWが90年代にビッグマッチを敢行していた川崎球場。現在の富士通スタジアムは、アメリカンフットボールの会場になっている。
パンクラスでの佐藤の後輩、右腕と言っていい存在の川村亮が神奈川大学アメフト部出身だったことから、会場にツテがあった。旧川崎球場で興行ができるらしい。パンクラスと同時にFMWに入門したいという夢もあった佐藤には朗報中の朗報だった。スタジアムでいつもの観客数でやれば……ソーシャルディスタンスが完璧なのだった。しかも野外だ。声を出しての応援も可能となった。観客はそれぞれアウトドア用の椅子やシートを持ち込み、人工芝に座って観戦する。
「どうなるのか分かることしかやらないようじゃつまらない」
前年の好評を受けての連続開催。今年は前日の21日にDDTのビッグマッチも行なわれた。それだけ魅力のある会場だということだろう。何しろシチュエーションが素晴らしい。芝生の緑、その上にリングがあって、レスラーたちの上には青空が広がる。人と人が殴り合っているのを見ながら、そこに開放感がある。何か無闇に楽しい。