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3歳で全盲も「カズを“見る”のは大好きだった」ブラジルのブラインドサッカー初代10番が語る《相手の“聴覚すら奪う”浮き球パス》の極意とは
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2021/09/04 11:02
5人制のブラインドサッカーでパラリンピック4連覇、いまだ無敗を誇るブラジル。その強さの源とは?
賛美するのではなくアスリートとして扱い、拍手してほしい
MS:障害者は、スポーツをすることで身体の機能を回復でき、それによって自信を取り戻すことができる。また、スポーツを通じて社会との接点、他者との関わりが増え、視野が広がる。現に、かつて私がブラインドサッカーをやっていたおかげで、こうして君との接点が生まれた。
私は、すべての障害者がスポーツに親しむことを願っている。そのためには、行政がそのような環境を準備しなければならない。
その一方で、見事なパフォーマンスを披露するパラリンピアンとて、スーパーマンではない。彼らを英雄として賛美するのではなく、アスリートとして扱い、拍手を送ってもらいたい。
ハンディキャップにとらわれず、積極的にチャレンジする姿勢
熱く、それでいてユーモラスで、なおかつ示唆に富んだ話を、これでもか、これでもかと披露してくれた。
全盲でありながら、そのことをハンディとは考えず、何事にも積極的にチャレンジする。64歳の今も、身体障害者へのスポーツの普及と強化に尽力するかたわら、プライベートではジェットスキーに凝っているというから、驚くほかない。
ブラジルのブラインドサッカーが強いのは、彼のようなエネルギッシュで知的な人々が道を切り開き、その後も支え続けているからでもあるのだろう。
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