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《全国制覇》智弁和歌山「マウンドに集まるの、やめないか?」中谷監督が甲子園の前に選手へ伝えていたこと
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph bySankei Shimbun
posted2021/08/29 17:15
和歌山大会決勝でも、マウンドに集合しなかった智弁和歌山ナイン
「今年の場合は、飛び抜けたレギュラーがあまりいない。AKB48みたいな、“手の届きそうなレギュラー”という立ち位置なので(笑)、逆にみんなが勝負できるんじゃないかと。全員がゲームに入って、『この場面はオレだ!』と思って行ってくれる。こいつがチームを引っ張っている、と目に見えるリーダーがいなくて、昨日は誰、今日は誰、と毎試合日替わりヒーローが出てくる。今年はそういうチームなんだろうなと思っています」
1年生の頃から4番を務めてきた徳丸天晴や、主将の宮坂が打線の柱だが、あまり前に出て引っ張るタイプではない。
だからこそ、「松川君、小園君のような本当の軸があるというのは、ちょっとまぶしく見えていました」と中谷監督は言う。
そのまぶしく輝くバッテリーを泥臭く攻略した智弁和歌山が、甲子園に帰ってくる。
2019年の、奥川恭伸(現・ヤクルト)擁する星稜との延長14回の激闘以来の甲子園(昨夏の交流試合を除けば)。時代に合わせて表情を変えつつある伝統校が、今年はどんな熱い夏を見せてくれるだろうか。
※この記事は2021年8月8日に配信した記事を再公開したものです。
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