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「メッシやペレよりタイトルに愛された38歳」ダニエウ・アウベス “金メダル4日後に母国でフル出場+小学校でのズル賢さ秘話”

posted2021/08/29 17:00

 
「メッシやペレよりタイトルに愛された38歳」ダニエウ・アウベス “金メダル4日後に母国でフル出場+小学校でのズル賢さ秘話”<Number Web> photograph by Takuya Kaneko/JMPA

東京五輪金メダリストとなったダニエウ・アウベス。その4日後にブラジルでフル出場したというのだから驚きだ

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Takuya Kaneko/JMPA

サッカー史に残る名サイドバックのダニエウ・アウベス。38歳の今もなおサイドラインを駆け抜ける名手のルーツを追った(全2回/後編は関連記事からご覧になれます)

 8月7日夜の横浜国際総合競技場。東京五輪の男子サッカー決勝で、延長の末、U-24ブラジル代表がU-24スペイン代表を2-1で下した。

 主審が試合終了のホイッスルを吹くと、両チームの選手のほとんどがピッチへ倒れ込んだ。17日間に6試合(延長戦を含む)という過酷を取り越して非人間的な日程を戦い抜いた末に、勝者は果てしない歓喜を、敗者は限りない悲嘆を味わっていた。

 U-24ブラジル代表の38歳のキャプテン、ダニエウ・アウベス(サンパウロ)は、ピッチに両膝を突き、頭を両手で抱え込んだ。それから立ち上がると、アンドレ・ジャルジーネ監督らコーチング・スタッフ、チームメイトと固く抱き合った。

 表彰式で、ダニエウは右隣りの控えGKブレンノ(グレミオ)から金メダルを首にかけてもらうと、右の人差し指で横浜の空を指した。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長から金メダルを受け取り、最終ラインで奮闘したCBニノ(フルミネンセ)の首にかけると、両手で彼の胸を強く叩いた。

 試合後、ブラジルメディアからのインタビューで、「僕はこれまで五輪とは縁がなかったから、是が非でも金メダルを取りたいと思っていた。その目標が達成できて、言葉では表現できないくらいに嬉しい」と満面の笑み。バルセロナやセレソン(ブラジル代表)で数々のタイトルを獲得してきた男が、「これまでのキャリアで手にした最大の栄誉」と言い切った。

「タイトル数43」はマラドーナもメッシもCR7も及ばない

 この大会を通じて、ダニエウは若い選手たちを統率しつつ、チームの全6試合(うち2試合が延長戦で、合計プレー時間は600分)にフル出場した。その果実として、43個目のタイトルを手にした。自身が持っていた世界歴代最多記録を更新したのである。王様ペレも、天才マラドーナも、リオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)もクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)も、勝ち取ったタイトルの数ではこの男に敵わない。

 U-24日本代表のキャプテンとして奮闘し、やはり全6試合にフル出場したCB吉田麻也(サンプドリア)も、「(32歳の)自分よりずっと年上なのに、すべての試合にフル出場して優勝した」と舌を巻く。

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