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日本人初! NBAサマーリーグでヘッドコーチを務めた吉本泰輔の“一歩前進”「バスケットボールを違う面から見ることができた」 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2021/08/22 11:02

日本人初! NBAサマーリーグでヘッドコーチを務めた吉本泰輔の“一歩前進”「バスケットボールを違う面から見ることができた」<Number Web> photograph by Getty Images

NBAニューヨーク・ニックスでヘッドコーチ補佐を務める吉本泰輔。若手の登竜門であるサマーリーグの指揮を日本人として初めて託された

 吉本にとっては、ブルズでシボドーHCに出会ったことが大きな転機となった。

 シボドーから頼まれたことを何でもやって信頼されるようになり、以来、ブルズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、そして現在のニックスと、シボドーがチームを移るたびについていき、シボドーを支えながら、コーチングを学んできた。

 シボドー自身、2010年に初めてブルズのヘッドコーチになるまで、30年近く大学、そしてNBAで長くアシスタントコーチとしての経験を積んできた経歴がある。NBAヘッドコーチとしての9シーズンでの成績は393勝277敗。勝率が5割を切ったのは9シーズン中、わずか2シーズンだけ。吉本は、その9シーズンのうち8シーズンを、シボドーのサポートをして過ごしてきた。

「コーチ・ティブス(シボドーの愛称)のもとでずっと長くやってきていますから、彼がリーグで最高のコーチだと思っていますし、その彼のもとで学ぶことができるのはとても好運なことだと思っています」と吉本。

「コーチ・ティブスは、準備の仕方や、毎試合、手を抜くことなくチームに準備させるだけの意思などがすばらしい。私の意見は偏っているかもしれないけれど、ほかのコーチが彼のように試合に向けた準備ができるとは思えません」

サマーリーグのヘッドコーチに抜擢

 今回、サマーリーグのヘッドコーチを担当すると言われたのは直前のことだったというが、その前のワークアウトの指揮を任されていたことで、「もしかしたら?」という予感はあったと語る。

 実は、これまで“ヘッドコーチ”という立場でコーチングをしたのは、子どもたち向けの夏のキャンプぐらいだった。

「こういったオーガナイズされた状態で、練習して、試合をしてというなかでのヘッドコーチは初めてです」

 さすがに初戦は、ワクワク感と緊張感が混ざった「変な気分」だったと言う。しかし、試合中の吉本は、初ヘッドコーチとは思えないぐらい落ち着いた様子で、試合を見つめ、選手に怒鳴ることもなく、指示を出していた。

【次ページ】 一番大変だったことは?

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