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投手・大谷翔平に敵将も白旗「終盤になるとギアを上げる…」40号本塁打に7連勝で《MVP&サイ・ヤング賞候補》の声も
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2021/08/21 06:00
ア・リーグ最速の40号本塁打を放ちチームメイトに祝福されるエンゼルスの大谷翔平
マドン監督も「スマート」「クレバー」な投球術を絶賛
加えてマウンド上での観察眼も抜群だ。打者の待ち球を察知し、自由自在に配球を変えていく。先に示した通り、抜群の制球力があるからこそできる芸当であり、勝負どころではギアをあげ、100マイル(約161キロ)の直球とスプリットで力勝負を挑む。
トータルでの高い投球術。捕手のカート・スズキとマドン監督は「スマート」「クレバー」の言葉で称え、タイガースのヒンチ監督は白旗を上げた。
「試合の中で投球が変わっていく。序盤は直球を抑え気味にし、カット、スライダーをコーナーにうまく投げている。終盤になるとギアを上げ98マイル(約158キロ)の直球になる。我々は彼のゲームプランにアジャストしようとしたが、大谷のようにギアを上げていく投手はなかなかいるものではない」
メジャーの規定投球回は162イニングで大谷は現時点で100。残り6登板と予想される中で到達は不可能に近い。それでも周囲はサイ・ヤング賞受賞候補であると声を大に言い出した。
『Unreal』は今や大谷の代名詞。投票で非現実的な結果となっても、なんら不思議はない。