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「大谷翔平のMVP間違いなし」アメリカでの高評価は成績でも明らか… 投打の進化が分かる四球数と「13.75」のスゴさ
posted2021/08/22 11:03
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Getty Images
大谷翔平は8月に入っても依然、「話題の主」であり続けている。
ホームランはついに40本の大台に乗った。とはいえ打者・大谷翔平はかなり窮屈になっているが、投手・大谷翔平は、新境地を開拓しつつある。いつも機嫌よさそうに野球をしている27歳だが、シーズン中も進化しているのだ。
4月8本、5月7本、6月13本、7月9本とコンスタントに本塁打を量産してきた打者大谷だが、8月は20日時点で3本。ペースが落ちてきた。
どんな大選手でも好不調の波はある。これくらいのペースダウンは問題ではないだろう。ただ、大谷が「打ってもいいボール」が、減っているのも事実だ。
月別に、大谷の1試合当たりの「打数」と「四死球」と「三振」の推移を見てみる(数字は日本時間21日時点)。
4月 4.00(23試合92打数)5四死球 27三振
5月 3.48(27試合94打数)14四死球 33三振
6月 3.24(25試合81打数)16四死球 27三振
7月 3.70(23試合85打数)16四死球 37三振
8月 3.20(20試合60打数)12四死球 21三振
おそらく対戦チームは、春先は「今年の大谷翔平は調子が良い」と思っていたはずだ。だから警戒はしたものの「いずれ調子は落ちてくるだろう」と思っていた。
「本当にヤバい打者になった」ので、四球が増えた
しかし5月、6月と全く変わらないペースで本塁打を打ったことで「本当にヤバい打者になった」と認識を改めたのだろう。そのために四球がどんどん増えていった。
大谷が勝負してもらえる打数は、8月は4月に比べれば1打数近く減っているのだ。
大谷のIBB(敬遠四球)は、9個を数えるが、これはアメリカン・リーグでは1位だ。8月は20日の時点ですでに3個、IBBは今後も増えていくだろう。
これに対して、三振数もコンスタントに増えている。