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熱気の戻ったブンデスで遠藤航がいきなり主役に オリンピック疲れを感じせぬ「本物のキャプテン」の存在感

posted2021/08/19 17:02

 
熱気の戻ったブンデスで遠藤航がいきなり主役に オリンピック疲れを感じせぬ「本物のキャプテン」の存在感<Number Web> photograph by Getty Images

開幕戦でいきなりゴールを奪った遠藤航。シュツットガルトのリーダーとして今季もその存在感は絶大だ

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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 ブンデスリーガにファンが戻ってきた。

 スタジアムに流される音楽が乾いた音として消えていかない。選手たちがウォーミングアップのためグラウンドに姿を現すと大きな拍手が加わり、スタメン発表の際にはファンの声が重なっていく。

 アウェイチームのファンが叫び声を上げると、それに対するブーイングが巻き起こる。やはり、スタジアムは生きている。そう感じたのは、いつ以来だろうか。ドイツにおける有観客試合となると、昨年3月のシュツットガルト対ビーレフェルト(2部)戦までさかのぼらなければならない。

キャプテンとして先頭に立ち、堂々と入場

 新型コロナウイルスに対するワクチン接種を2度済ませた人の割合が55%ほどのドイツでは、まだ満席は許可されていない。現在の上限はスタジアム収容人数の50%、最大25000人まで。

 立見席が禁止されているため、普段ゴール裏で応援しているウルトラスの中には観戦を拒否している人も少なくないのだという。僕が観戦に訪れたシュツットガルト対フュルトの試合では観衆1万8019人が記録された。わずか30%ほどの集客率ではあるが、無観客試合に慣れていたので記録的な数字にさえ感じる。

 そんなスタジアムで、遠藤航がシュツットガルトのキャプテンとして先頭に立ち、堂々と入場してきた。

 試合開始直後、中盤でのパスはミスになるが、すぐに相手をチェイシングして追い込む。押し倒してファウルとなったが、近くに座っていたファンは「ヤボール!(その調子!)」と遠藤のプレーに声を送っていた。

 僕は試合の取材申請を出していたのだが、コロナ対策でメディアの枠はまだまだ狭い。地元記者、ドイツ人記者が優先的に割り当てられることを考えたら、インターナショナルのフリーランスまで枠が回ってこないのも仕方がない。

 とはいえ、ブンデスリーガ開幕で久しぶりの有観客試合。できることならスタジアムで見たい。チケットの販売状況をチェックすると、幸運にも購入することができた。

 そんなこんなで、ファンに囲まれて、ビールを飲みながらの試合観戦。周りのファンの話し声、やじ、ブーイングがダイレクトに聞こえてきて、なんとも楽しい。

【次ページ】 一方的に攻め込み、5-1の完勝スタート

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