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熱気の戻ったブンデスで遠藤航がいきなり主役に オリンピック疲れを感じせぬ「本物のキャプテン」の存在感 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byGetty Images

posted2021/08/19 17:02

熱気の戻ったブンデスで遠藤航がいきなり主役に オリンピック疲れを感じせぬ「本物のキャプテン」の存在感<Number Web> photograph by Getty Images

開幕戦でいきなりゴールを奪った遠藤航。シュツットガルトのリーダーとして今季もその存在感は絶大だ

「彼のような選手がいることは素晴らしい」

 キャプテンだからといって、特別なことはしない。試合前のアップでも、大声で仲間を鼓舞したりするわけではない。

 敏腕SDであるスベン・ミスリンタートは、「ワタルには『ボディーガード』『サムライ』『ボス』など沢山の異名があるが、どれもが彼を示している。彼は本物のキャプテンで、すべての選手から受け入れられている。また、プロフェッショナルな選手でポジティブな人間でもある。キャプテンとしてこれまで以上にチームメイトへ歩み寄るだろうし、責任を担ってくれる。彼のような選手がいることは素晴らしい」と全幅の信頼を寄せている。

 チームに欠かせない選手。この試合でも、目立ったのは得点シーンだけではない。遠藤を経由してボールがスムーズに展開される。相手も遠藤のところに厳しくチェイシングを仕掛けようとするのだが、しっかり身体をぶつけ、するりと入れ替わり、巧みにボールを遠ざけながら攻撃のタクトを振るう。それこそ遠藤にぶつかってきた相手が逆に吹っ飛ぶシーンもあった。

 昇格組フュルトは一矢報いようとするが、遠藤が支配するエリアを突破できない。中盤のセンターにあるスペースでパスを受けて前に運ぼうとするものの、遠藤がチェックに来ると誰も振り向けない。それならダイレクトでパスを落として次の展開を狙いたいところだが、それを瞬時に予測する遠藤は、すぐにスペースをつぶしてしまう。

 ペジェグリーノ・マタラッツォ監督は「チームを離れていなかったようだ。間違いなくいい仕事をしてくれたし、オリンピックからこれほどのエネルギーを持ち帰ってきたのは本当に喜ばしい」と、自身の右腕となる主将の活躍に目を細めていた。

シュツットガルトには苦い思い出がある

 試合後はゴール裏のファンの下へ駆け寄り、一緒に勝利を喜び合った。「ファンがまたスタジアムに戻ってくれたことがうれしい。この雰囲気をずっと待っていました」というコメントを残している。

 そう言えば、遠藤はファンについて次のように語っていたことがあった。

「最高っすよね。得点が入ったときの雰囲気とか。彼らに勝利を届けるためにも、自分のプレーを続けていければいいと思います」

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