熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
なぜ王様ペレは「30歳で代表引退」「背番号10を特別な番号」にしたのか… ブラジル人重鎮記者だからこそ知る“天才性”
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byColorsport/AFLO
posted2021/08/16 11:01
ジュール・リメ杯を手にするフットボール界の王様ペレ。デビュー当時からよく知る重鎮記者に語ってもらった
ペレの前までは「背番号10」は特別ではなかった
彼が出現するまで、選手の背番号はポジションに、あるいは役割に応じて付けられていた。ただし、それは国によって違いがあった。GKが1、右SBが2、CFが9なのはほぼ世界共通だが、それ以外のポジションの選手に与えられる番号は国によって異なっていた。
背番号10は、通常、2列目左サイドあるいはトップ下の選手が付ける。ペレもこれらのポジションでプレーすることが多かったのだが、彼の出現以降、「チームで最も優れたアタッカーが付けるエースナンバー」という意味合いを持つようになった。
マラドーナはたいてい2トップの左側でプレーしたし、メッシは右ウイングかトップ下で、ネイマールは左ウイングかトップ下でプレーすることが多いが、彼らはプレーエリアとは関係なく背番号10を付ける。それは、彼らがチームの絶対的なエースであるからだ。
このような意味でも、ペレは世界のフットボールの概念を変革した。
<続きは関連記事からもご覧になれます>