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“指輪投げつけ三角関係”や浮気→北京で金、33歳で東京五輪7位のち… 「魔性のイタリア女性スイマー」の強烈すぎ人生
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2021/08/11 11:01
公私ともに規格外のスイマーだったベッレグリーニ。東京五輪にも出場した
イケメン花形スイマーとまさかの浮気
心理面で優位に立ったことを嗅ぎ取ったペッレグリーニに、もはや怖いものはありません。
08年8月8日、開幕した北京五輪の女子200m自由形予選で、ペッレグリーニは1分55秒45を出し、マナドゥに奪われていた世界記録を鮮やかに奪還。決勝ではさらに縮めて、1秒54秒82の新記録を叩き出し、イタリア競泳界初の女子金メダリストになったのです。
北京以降、イタリアスポーツ界で確固たる地位を築いたペッレグリーニは、11年にマリンと破局するのですが、その原因には絶句するしかありません。
何と7月に上海で開催された世界選手権の代表宿泊ホテルで、男子競泳チームのイケメン花形スイマー、フィリッポ・マンニーニの部屋での浮気現場をマリンに発見されたからなのです……。
普通なら寝取られたマリンは人間不信に陥りそうなものですが、3年前のTVインタビューで彼が「実は今でも彼女にメロメロなんだ」と言っているのを見て、あらためてペッレグリーニの魔性の強さに戦慄したものです。
彼女はマンニーニと交際中だった09年、母国イタリア開催の世界選手権で、再び200m自由形の世界記録を樹立しました。ラブストーリーは17年に終わりを迎えましたが、ペッレグリーニの記録1分52秒98は、東京五輪で同種目を制したアリアン・ティットマス(オーストラリア)ですらも破ることはできませんでした。
引退発表でまたもサプライズ
21年7月28日、最後の五輪個人レースである200m自由形決勝に出場したペッレグリーニは、8人中7着に終わりました。
ともに泳いだ7人は皆ひと回りもふた回りも年下で、最も年下のヨウ・シュンセン(中国)に至っては、ペッレグリーニがアテネ大会で銀メダルをとったとき、わずか2歳の幼児でした。
最後のレースを終えた世界の競泳界の鉄人は、大会前からほのめかしていた引退をついに発表しました。秋口までは所属クラブで泳ぐようですが、来年の世界選手権にもパリ五輪にも出ないと明言したのです。
サプライズは、9年近くにわたり隠してきたマッテオ・ジュンタ代表コーチとの交際を公表したことでした。