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“指輪投げつけ三角関係”や浮気→北京で金、33歳で東京五輪7位のち… 「魔性のイタリア女性スイマー」の強烈すぎ人生
posted2021/08/11 11:01
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
フェデリカ・ペッレグリーニは、イタリアスポーツ界の“女王”です。
08年北京五輪の女子競泳自由形200mで金メダルを獲得、合計6回の世界選手権制覇など抜群の実績を持つ彼女の異名は“神のスイマー”。リオ五輪ではイタリア選手団の開会式旗手を務め、今回の東京オリンピックでも200m自由形にエントリーし、女子選手として五輪史上初の「5大会連続同一種目決勝進出」の偉業も達成。
とかくカルチョ一色になりがちな地中海の長靴の国ですが、2年前に大手紙が「イタリアスポーツ史上最高の女性アスリートはペッレグリーニ?」というアンケートをとったところ、75.6%の圧倒的支持を得たほど競泳界の第一人者としてカリスマ的人気を誇っています。
気風の良い性格で妖艶な雰囲気を持つ彼女には華があり、モデルやTVタレントとしての露出や知名度も高く、当然恋バナにも事欠かず。色恋沙汰をめぐってゴシップ誌を賑わしたことは一度や二度ではすみません。
まるで往年の“大映ドラマ”のような
今回は、イタリア(とフランス)を揺るがせた競泳界スキャンダルのお話です。往年の大映テレビ制作ドラマを彷彿とさせる、ペッレグリーニの“魔性”にほんの少しだけ触れてみるとしましょう。
「次は必ず金をとる」
アテネ大会直後から、勝ち気なペッレグリーニは北京での金メダル獲得に野心を燃やしていました。ただし、彼女の得意種目200/400m自由形には、2歳年上の強力なライバルがいました。フランス代表のロール・マナドゥです。
2人の間に最初に火花が散ったのが、07年春のメルボルン世界選手権でした。
200m準決勝で、ペッレグリーニは1分56秒47という当時の世界記録を出しますが、24時間後の決勝で彼女の記録を1秒近く縮める1分55秒52の新記録で優勝したのがマナドゥです。ペッレグリーニは3位に終わりました。さぞ屈辱だったろうことは想像に難くありません。