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「スカスカな感じが目立つ」「MISIAじゃなくて中居正広」近田春夫は“東京五輪の開会式をどう見た?”〈オリパラ音頭で話題〉
text by
下井草秀Shu Shimoigusa
photograph byGetty Images
posted2021/08/04 11:04
7月23日に行われた東京五輪の開会式。式4日前に辞任した小山田氏に代わって生出演を猛アピールしていた近田氏は本番をどう見たのか?
「最後の聖火リレーにしても、あんなにゆったりした感じじゃなく、もうちょっとコンパクトにスピーディーにちゃっちゃっちゃっちゃと行った方がよかったんじゃないかな。そのまま大坂なおみの点火の瞬間、一気にカタルシスに到達すれば、それまで冷めた目で観てた人間の気持ちもひっくり返すことができたと思うんだ」
「小池百合子の影がやけに薄かったね」
――長いといえば、バッハIOC会長のあいさつも長かった。それに比して、天皇の開会宣言はごくごく短くて、評判がよかったですね。菅首相と小池都知事がうっかり起立するタイミングを逸しちゃったくらい。
「しかし、小池百合子の影がやけに薄かったね。本人がへそ曲げちゃったのか、あるいは干されたのか、どっちなのかは分からないけど、あんなに自己アピールの大好きな人間が、その片鱗すら見せなかった。ここは気配を殺した方がよいと判断したのかね」
――あの聖火台、ピラミッドみたいな形してたから、エジプト帰りの小池さんにはあの頂上に登ってもらえば、国際派としての格好のアピールが叶ったんじゃないですかね(笑)。
「いろんな出し物があったけど、どれも、巨大なアリーナの真ん中ぐらいしか使ってなくてさ。映像が引きになると、スカスカな感じが目立つ。ソーシャルディスタンス対策なのか、各国の選手がその周りに三々五々散らばって余興を見物してる様子は、何だかうら寂しさを倍加させたよ」
――例えば2012年のロンドン五輪の開会式では、アリーナ全体にイギリスの田園風景を模した巨大なセットが設えられ、その規模を十全に生かしてましたけど、東京五輪の国立競技場は余白ばかりが目立ちました。
「一等最初のルームランナーのシーンからして、ちょっとしょぼかったよねえ。もちろん、不幸にも五輪に出場することができなかったあの看護師ボクサーの女性を貶めるつもりはないんだけど、演出のスケールが小さいというかさ」
最も印象に残った演目は......
――個々の演目で、近田さんの印象に残ったものというと?