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「スカスカな感じが目立つ」「MISIAじゃなくて中居正広」近田春夫は“東京五輪の開会式をどう見た?”〈オリパラ音頭で話題〉
text by
下井草秀Shu Shimoigusa
photograph byGetty Images
posted2021/08/04 11:04
7月23日に行われた東京五輪の開会式。式4日前に辞任した小山田氏に代わって生出演を猛アピールしていた近田氏は本番をどう見たのか?
「去年の紅白でYOSHIKIがクイーンやサラ・ブライトマンを従えて披露した『ENDLESS RAIN』を思い出した(笑)。あと、確か大和証券グループのCMにも、各国の人たちが一曲をリレーして歌う趣向のものがあったよね」
――「イマジン」の歌い手は、もちろんいずれも十分なキャリアを誇る人気者だったわけですが、正直言うと、世界的なイベントなんだから、もっと有無を言わせぬ大物を出せなかったのかという不満は残りますね。
「アメリカでいえば、レディー・ガガとか、マドンナとかね。BTSが出たっていい。ただ、今は、昔みたいに世界中の誰もが知ってるアーティストっていないんだよね。30年前だったら、特に洋楽ファンじゃなくっても、マイケル・ジャクソンのことは誰でも知ってたじゃん。BTSがどれだけ人気だといっても、102歳の俺の母親は知らないもん」
演出の意図を細かに説明するアナウンサー
――しかし、コロナ禍だ何だといろいろ事情はあるでしょうが、録画映像じゃなく、本人が会場に駆けつけて歌ってほしかったですよね。予算はそういうところに使えばいいのに。
「今回の開会式、いろいろとケチはついたけど、出演者はみんな、それぞれの専門職として、申し分なく仕事を全うしたと思うよ。そもそも、彼らを責めるのは筋が違う。混乱に関して責めを負うのはやっぱり組織委員会であってさ」
――恐らく、二転三転する状況に、出演者は大変な思いをしたでしょうね。
「あと、これはセレモニーそのものとは別の話だけど、NHKのアナウンサーによる実況中継がちょっと説明的すぎたね。『この赤い紐は血管や筋肉を表しています』とか、いちいち演出の意図を細かく解説してさ。もっと観る者の想像の余地を残してほしかったよ」
ある意味で「多様性をシンボライズしたイベントに」
――今大会において、近田さんが注目する競技は?
「ごめん、俺、スポーツ全然興味ないんだよ(笑)。野球とかサッカーとか、長い試合を観てるとすぐ飽きちゃってさ。せいぜい相撲ぐらいの長さが限界なの」
――じゃあ、特に応援している選手もいないってことですね(笑)。
「悪いけどそうだね。さっきの音楽界の話にも通じるけど、昔は、俺みたいにまったくスポーツに関心のない人間でも、カール・ルイスとか(ベラ・)チャスラフスカとか、誰もがその名を知るスター選手がいたじゃない」
――大会のアイコンとなるアスリートが存在しましたよね。
「それもまあ、多様性をシンボライズしているのかもしれない。今回のオリンピックをめぐっては、これまでにはなかったほど、ネット上でいろんな意見が表明された。世の中にはいろいろな考え方があるという事実が分かった意味でも、多様性というキーワードを浮上させたイベントになったんじゃないかな」
――しかし、返す返すも、近田さんの登場する開会式を見たかったものですね。
「五輪にはまだ閉会式があるし、パラリンピックの開会式も閉会式もある。私は出演する気満々ですので、引き続き関係各所からのご連絡をお待ちしています!」
ふと閃いた。岡崎体育、眉村ちあき、古坂大魔王(ピコ太郎)、明和電気、マキタスポーツほかの皆さん(敬称略)、他にも参加ご希望の方あれば……。よかったら、一緒にアルバム作らないかなぁ?『幻の4分2020』とかってなタイトルで。後から振り返ったとき、絶対に意義あったって思えると思うんで(笑)。
— 近田春夫 (@ChikadaHaruo) August 1, 2021
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