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リオでは靭帯断裂、昨年は首の怪我…苦しんだテコンドー山田美諭“日本人初の快挙”の陰に大東文化の名将と「イチローも師事した」名トレーナー 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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posted2021/07/31 11:03

リオでは靭帯断裂、昨年は首の怪我…苦しんだテコンドー山田美諭“日本人初の快挙”の陰に大東文化の名将と「イチローも師事した」名トレーナー<Number Web> photograph by Getty Images

日本代表として初めて準決勝に進出したテコンドーの山田美諭。大健闘を見せた。

イチローも師事した“先生”の指導

 しかしながら、ケガに苦しんだのはリオの前だけではない。実は昨年春に山田は首を負傷し、一時は満足な練習ができないほど症状を悪化させていた。昨年12月、筆者は山田や、彼女と一緒に東京オリンピックに出場する鈴木セルヒオ&リカルド兄弟の練習を取材する機会があったが、このときも山田は軽い調整をするだけにとどめていた。

 症状は快方に向かわなかったので、金井監督は「鳥取県の小山先生なら、なんとかしてくれるかもしれない」と思い立った。

 小山先生とは、自ら考案した初動負荷理論を元にトレーニングをメインに指導する傍ら、アスリートの故障やまひ改善で数多くの実績を残すワールドウィングの小山裕史代表を指す。現役時代のイチロー氏も、小山氏に師事していた。20年ほど前、金井監督は岡本とともに小山に会う機会に恵まれ、「小山先生の指導を受けるに値する選手を育てることができたら、絶対に送り込もう」と心に決めていたことを思い出したのだ。

 折しもコロナの影響でそのとき小山氏のトレーニング施設は閉鎖していたが、山田を再開第1号にしてもらい、指導を受けに行った。山田の首の具合をみた小山氏は断言した。

「これだけ(症状が)ハッキリしていれば、すぐ良くなる」

 山田の快挙はミラクルでも、たまたま調子が良かったわけでもない。その裏には、知られざる苦労や努力が幾重にも積み重ねられていた。

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