元レイソルユース副将がなぜ東大に？ “幻の東京五輪代表”が明かす後悔「冨安や堂安が活躍する姿を見てしまうと…」

元柏レイソルY副将「なぜ東大サッカー部へ？」

　どんなスポーツでもそうだが、子どもの頃から長く競技を続け、高いレベルで競ってきた選手は、ユニフォームをまとってピッチに出た時、その佇まいに圧倒的な説得力を持ち、独特の空気を放つ。ユニフォーム姿が妙に馴染んでいるのだ。

　チームで唯一、Jユース（柏レイソル）出身という経歴を持つ東大ア式の染谷大河選手は、まさにそういう選手だった。

東大ア式蹴球部“唯一のJユース出身者”染谷大河選手に話を聞いた（4年・千葉県立東葛飾高校出身）　©東京大学運動会ア式蹴球部

すべての写真を見る（18枚）

　小2の時にサッカーを始め、小5の時に千葉県のトレセンに選出された。その時、柏レイソルの下部組織でGKコーチをしていたスタッフに「柏レイソルのジュニアユースにセレクションを受けてみないか」と声をかけられたことがきっかけで、セレクションを受け見事合格。ジュニアユースでは中3の夏まで試合に絡めなかったが、巻き返してユースに昇格した。

「ユースは、サッカーに全てを賭けてやってきた人が練習している場なので、刺激的ですごく緊張感がありました。自分もやらないといけないという気持ちになりましたし、コーチからは『街に出た時はお前ひとりの行動ではなく、レイソルの下部組織の行動とみられるんだぞ』と言われていたので、その責任感も大きかったです」

　同じピッチで、そしてプロの舞台で活躍してたGK中村航輔選手を見て、「いつか自分も」という思いを持っていたという。だが、高3になるタイミングで染谷選手は柏レイソルユースを退団してしまう。

【次ページ】　1週間前に退団を伝えた