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大谷翔平「リアル二刀流」なら未だ負けなし! ピンチになってもチームが奮起…“不敗神話”はいつまで続く? 

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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posted2021/07/27 06:00

大谷翔平「リアル二刀流」なら未だ負けなし! ピンチになってもチームが奮起…“不敗神話”はいつまで続く?<Number Web> photograph by Getty Images

今季、大谷が投打で同時出場した試合は、未だ負けなし。大谷の活躍が、チームメイトを奮い立たせている

大谷を信頼するマドン監督の「大胆な策」

 6月23日のジャイアンツ戦のことだった。マドン監督は大胆な策に出た。この日、ベンチで確保できる交代要員は2人。それでも大谷を投打で起用した。早い回で降板すれば圧倒的に不利となる状況で、大谷自身にプレッシャーもあったはずだ。この試合、チームは延長戦の末に力尽き、完敗。一方で大谷は、ナ・リーグ西地区で首位を独走するジャイアンツを相手に、6回1失点の力投を見せた。

「基本的には野手がしっかりといる状態でないと、監督的にもチーム的にも怖いところはあると思う。今、トラウト選手がいない状態なので、得点力という意味では必要とされてるのかなと思いますし、勝つために重要なピースとして起用してもらったのかなと思う。打つ方で今日はその期待に応えられなかった。そこはひとつ、チームのために仕事ができなかったところかなと思います」

 打線の中軸を担うトラウトが右ふくらはぎ痛で長期離脱。得点力に欠けるチーム事情もあり、さらに大谷を打順から外せば打線の迫力さに欠ける。交代要員が足りなくなる状況に追い込まれるリスクを承知でマドン監督は思いきった策に踏み切った。すると大谷は投手として6回を投げきり、早い回での降板は回避。先発の仕事を果たした一方で、打者では3打数無安打だった。いずれにしても、大谷に負けはつかなかった。

“二刀流”大谷を救った「チームメイトの奮起」

 リアル二刀流の最大のピンチは6月30日のヤンキース戦だった。恐れていた事態が起こった。大谷は「1番投手」で出場し、1回表の第1打席は中飛で凡退した。その裏、先発マウンドに上がると、制球が定まらない。1回もたず、 2/3 回で5四死球と2安打で7失点。無念の降板となった。

「DHを解除しているので、なるべく長い回を投げないといけないところではあった。こういう形になってしまうのが一番チーム的にも痛いのかなとは思うので、なんとか点を取られるにしても取られ方もあると思いますし、長いイニングを投げながらじっくりといきたいところではあったかなと思います」

【次ページ】 降板した試合でも「今年一番の盛り上がりだった」ワケ

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