バレーボールPRESSBACK NUMBER
「シンクロした4枚攻撃ができている時の日本は…」バレー女子のカギ握る20歳セッター籾井あき 中田久美、吉原知子が重宝する理由は?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAsami Enomoto
posted2021/07/25 11:02
所属するJTでの活躍もあり、日本代表でもレギュラーの座を掴んだセッター籾井あき(20歳)。本大会では背番号12をつける
20歳と代表で最年少だが、籾井は物怖じせず、勝つために必要なことを遠慮なく突き詰める。中田監督は言う。
「勝たせられるセッターなんじゃないかな、と。まだまだ経験不足や荒削りで、波があったりしますけど、日本が育ててあげないといけないと思います。なんといっても彼女のよさは、例えば、自分がイメージ通りのトスを上げて、スパイカーが決められなかった時に、その選手に直接、『今のトス、決められなかった原因は何ですか?』とちゃんと聞きにいけるところ。そしてじゃあ自分はこういうことをしなければいけないんだと、しっかり言葉にして伝えられるところは非常に大きな魅力です。
まだ20歳と若いですが、(36歳の主将)荒木(絵里香)に対してもそういう質問の仕方ができるということはすごく頼もしい」
JT吉原監督が籾井を起用する理由
JTでも1年目からそうだった。コートに入ると先輩のことも呼び捨てにした。
「試合中は、(チーム最年長の芥川)愛加さんに、『アイカー!』って思いっきり言っちゃいます(笑)。年上だからというのは、日常では当たり前にありますけど、コートの中にそういうのがあると、言いたいことが言えないというのが出てきて、1個ずつどんどんずれていっちゃって、噛み合わなくなるので」(籾井)
当時、吉原監督に新人の籾井を正セッターに起用している理由を聞くと、「ドリブルが少ない選手だし、度胸が座っているから」
ただ大胆さの一方で、実は繊細さもあわせ持っている。
吉原監督は、「繊細な部分も必要。スパイカーが打てないというのが、一番彼女にとって嫌なことで、さぼっていて打てないのか、それとも自分のトスが悪くて打てないのか、ということをすごく気にしますね。ただそれによって、自分のプレーが崩れてしまう時もある」と分析する。