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大谷翔平のHRを生み出す「天性の才」に、イチローは大谷の“本塁打王”を予言? “断然ムキムキ”になった〈昨季との体格比較〉も 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2021/07/25 06:01

大谷翔平のHRを生み出す「天性の才」に、イチローは大谷の“本塁打王”を予言? “断然ムキムキ”になった〈昨季との体格比較〉も<Number Web> photograph by Getty Images

7月18日のマリナーズ戦で34号HRを放った。徹底した身体作りが今季の“爆発”を生み出している

大谷の打撃に備わった「天性の才」とは?

 昨季は60試合制ではあったものの、本塁打7本、打率.190。今季はM V Pや本塁打王などタイトル独占の可能性がある中で『カムバック賞』は既にもらったも同然と言える。

 最後に。

 大谷の打撃にはとてつもなく大きな長所、持って生まれた天性の才があると、ある野球関係者から聞いた。人にはそれぞれ得意・不得意な体の動きがあると言われているが、大谷の場合、「右から左」への体重移動よりも「左から右」への体重移動が格段に上手なのだそうだ。

 スムースに移動し、伝達にロスがなく、しっかり股関節で受け止め、大きな出力へと変えることができる。左打者として、これほどに理に適った動きはない。大谷も打撃状態が良い時の感覚をこんな言葉で説明したことがある。

「上体がしっかり残っている段階で、打ちにいくかどうかを下半身で決めている感じはするので、いい傾向かなと思います」

 下半身始動の体重移動と回転に後から上半身がついてくるイメージが伝わってくる。

 軸足となる左膝に不安がなくなったことで、徹底した強化トレーニングを積めたことが筋力アップを生み、体もひとまわり大きくなった。体重は開幕後に102キロほどと話していたが、今も大きな変化はないと感じる。

 アスリートにとって、健康こそ最重要テーマ。しかも彼は二刀流。コンディショニングにおいて、豊富なデータ蓄積があるメジャーリーグであっても、大谷の場合にはそれはない。

本塁打王もMVPも、“現実味”はある

「なんで大谷さんのホームランってあんなにボールが飛ぶんですか?」

 細かいことを言えば、絶妙なハンド・アイ・コーディネーションでボールの中心よりやや下にバットを入れる技術もあるだろう。だが、健康こそ、パワーの源泉。長いシーズン、好不調の波は誰にでもある。その中で健康さえ維持できれば、本塁打王だって、MVPだって、現実のものとなる。それが今季の大谷翔平だ。

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