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「最低でもメダル」“女子高生スイマー”から優勝候補へ…競泳・渡部香生子の決意「金藤さんのように…」〈24歳で五輪3大会出場〉

posted2021/07/26 06:00

 
「最低でもメダル」“女子高生スイマー”から優勝候補へ…競泳・渡部香生子の決意「金藤さんのように…」〈24歳で五輪3大会出場〉<Number Web> photograph by Asami Enomoto

代表内定後に出場した6月のジャパンオープンでも順調な調整を見せた渡部。悲願のメダルへその視界は良好だ

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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Asami Enomoto

 女子高生スイマーとして2012年ロンドン五輪に出場してから9年。'16年リオデジャネイロ五輪と合わせて2度の五輪でいずれも悔しさを味わってきた競泳の渡部香生子(JSS)が、3度目の大舞台となる東京五輪を目前に控え、心技体とも万全の態勢を整えている。

「最低でもメダルを獲りたい。リオの時の金藤(理絵=女子200m平泳ぎ金メダル)さんのように覚悟を決めて練習し、悔いのないように泳ぎたい」。言葉に力が入る。

 早熟の天才スイマーは、栄光と苦しみを行き来する水泳人生を送ってきた。'12年に日本選手団最年少の15歳でロンドン五輪に出場。'15年世界選手権では女子200m平泳ぎ金メダルと同200m個人メドレー銀メダルを獲得し、早々とリオ五輪代表に内定した。しかし、本番では不調に陥った。「リオの時は完全に自分を見失っていて周りが見えず、余裕もなかった」と悔やむ。

「改めて自分は泳ぐことが好きなんだと感じました」

 リオ五輪後は成績のアップダウンを繰り返し、'17、'19年世界選手権は代表落ち。'19年夏には左肘を骨折する苦境にも見舞われた。

 骨折から1カ月後に練習を再開したが肘がまっすぐ伸びず、思うように体を操作できない日々。だが、けがの苦しみが心の奥にある本当の思いを揺り動かした。「回復してからは、改めて自分は泳ぐことが好きなんだと感じることができたし、一人では何もできないことを知り、改めて周りの方への感謝の気持ちが強くなった」

 コロナ禍による五輪の1年延期でも心が折れかけたが、「今まで頑張ってきたことを無駄にしたくない」と逆に気持ちにスイッチが入り、昨年12月の日本選手権で女子100mと同200mの平泳ぎで5年ぶりに2冠を達成。今年4月の日本選手権兼東京五輪代表選考会でもこの2種目で派遣標準を切り、優勝した。2年連続2冠達成という成績が示すように、充実期を迎えている。

 10代の頃から競ったレースで強さを発揮するタイプ。「100mでも200mでも自己ベストを目指さないと戦えないと思っている」と語りつつ、接戦が予想される東京五輪はチャンスだと自認している。女子100m平泳ぎで1分05秒88(日本記録)、同200m平泳ぎで2分20秒90の自己ベストを破り、三度目の正直を実現させるつもりだ。

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