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野瀬瞳 手作りケーキの行方。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byMasakazu Yoshida
posted2008/03/13 16:48
「高校を卒業してそろそろ1年ですけど、水泳人生だなって。最近は、午後練習が終わって帰ると10時半くらいで、そのまますぐ寝ちゃうことが多いです」
目標はもちろん、北京五輪代表選考会を兼ねる4月の日本選手権と、五輪本大会での表彰台。100mと200m平泳ぎで短水路高校新記録を出した頃の「自分の泳ぎ」を取り戻すべく、週6日、午前と午後の2部練習に励む。
──昼練と夜練の間は何を?
「ウフッ、寝てる(笑)。……いや、料理してます!」
どんな料理を……と質問を重ねたら、恥ずかしそうな、困ったような表情を見せて、
「お菓子作りは好きです!」
と逸らされた。
──バレンタインはコーチに?
「はい、本命チョコ!(笑)」
──手作りの。
「いえ、コーチにあげたのは売ってるチョコで、手作りのケーキは、スイミングクラブの子供たちが食べました」
練習三昧の日々にも、女の子らしい日常が垣間見える。とはいえアスリートたるもの、ストイックな栄養制限とかはないのだろうか。
「専属の栄養士さんが付いていて、その日に食べたものをメールしてます。大会が近づくと、“今日は糖質を多めで”ってメールが来たり。去年、ジュニア五輪とかで東京に1カ月くらい遠征したとき、宿舎の近くにあったカレー屋で毎日カレーばっかり食べてたら、すごく怒られました(笑)」