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《初のビッグ対談》羽生結弦26歳が池江璃花子21歳に語った「池江さんはそんなに背負わなくていい」
posted2021/07/13 16:05
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Kiichi Matsumoto
東京オリンピックを間近に控えたある日、東京と仙台を結んでのビッグ対談が、雑誌Number「オリンピック開幕直前特集」で実現した。
今夏、再び祭典の場に姿を現す水泳の申し子、池江璃花子と、冬の王者、羽生結弦の初顔合わせである。
ふたりには、オリンピアンであるということ以外にも、大きな共通点があった。それに気づいていたのは羽生結弦のほうだった。
対談の冒頭から、池江に対して、「若いのにいろいろなものを背負って頑張ってるなとずっと思っていて。ご自身の病気のことはもちろん、他の病気にかかった人を勇気づけたいとか、元気になってほしいというものまで全部。そんなに背負わなくてもいいんじゃないかなと思いつつ、背負っているから強いんだろうなとも」と気遣いを見せた。
池江は、それにこう答える。「確かに背負わなくていいことまで背負っている気は自分でもしています。復帰してからは、病気した人代表みたいなものをすべてのレースで感じていました」
Number1031号「オリンピック開幕直前特集 東京に、凱歌を」。池江璃花子と羽生結弦の対談を、14ページにわたって掲載
羽生「当時はすごく重たく思っていた」
大病を患い、昨年復帰。みるみると競技者としての回復を見せた池江が、人知れず背負っていたもの。羽生は遠いところからもそれを察していた。なぜなら、自分も避けられない天命により、いまもなお、重りを背負っているからだ。