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“全治6~8カ月で今季絶望”の大ケガをグランパス丸山祐市が語る「プラスに捉えようとはしていますが、明日には逆にガクンと…」
 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byKaz Photography Getty Images

posted2021/07/24 17:00

“全治6~8カ月で今季絶望”の大ケガをグランパス丸山祐市が語る「プラスに捉えようとはしていますが、明日には逆にガクンと…」<Number Web> photograph by Kaz Photography Getty Images

5月15日の試合で、全治6~8カ月の大ケガを負った丸山

「2歳になる息子と一緒に走れなくなる……」

「あの場で立ち上がったときに“内側やっちゃったな”と思ったくらいだったんですけど、交代してロッカールームに戻ってドクターから『(右膝の)エンドポイント(骨が靭帯で止まるときの音)がない』と聞かされたときに、うわっ、今シーズン終わっちゃったかなと思いましたし、2歳になる息子と一緒に走れなくなるよなって。奥さんにも迷惑掛けてしまうなって。

 だから1、2日はメチャメチャ落ち込みましたよ。どれだけリハビリがきついのかも経験していますからね。でも経験則から言って、しっかり治すことによって復帰できるのは間違いないので、こうなってしまった以上はしっかりと受け止めて。すぐにではないとしても割と早く切り替えられた感はありますね」

 重い話を、努めて明るく。

 2歳の息子は、走ることが大好きだとか。だから「ホントにショックなんですよ」と顔を曇らせる仕草を見せながらも、声にはハリがあった。

 手術を施してからは足首にオモリをつけて上げ下げするなど地道なリハビリを続けている。

「膝を曲げる、伸ばすというところの可動域がちょっとずつ広がっています。だからちょっとずつ良くなっている。前十字に関して言えば、焦ってしまうと復帰しても再断裂のリスクが出てくるので、まずは焦らないこと。リバウンドを少なくしていくには、時間を掛けて地味なトレーニングをコツコツやることが、結局は一番の近道なんです」

「膝をやってしまったらプロは無理」

 流れから高校時代のケガに話が及ぶ。

 プロを目指してきたのに「膝をやってしまったらプロは無理」とも言われたという。失意はあったものの、嘆いてばかりでは先に進めない。サッカーを大学でやり尽くすという目標を掲げるなら、目指す大学に進学しなくちゃいけない。コツコツと地道な「リハビリと勉強」がその先の未来を切り開いた。

【次ページ】 三歩進んで、三歩近く下がってしまう日も

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丸山祐市
名古屋グランパス

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