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“全治6~8カ月で今季絶望”の大ケガをグランパス丸山祐市が語る「プラスに捉えようとはしていますが、明日には逆にガクンと…」
 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byKaz Photography Getty Images

posted2021/07/24 17:00

“全治6~8カ月で今季絶望”の大ケガをグランパス丸山祐市が語る「プラスに捉えようとはしていますが、明日には逆にガクンと…」<Number Web> photograph by Kaz Photography Getty Images

5月15日の試合で、全治6~8カ月の大ケガを負った丸山

「カタチだけキャプテンマークを腕に巻いているだけ」

 流れからキャプテンシーの話に及んだ。

「まったくないです。今もカタチだけキャプテンマークを腕に巻いているだけ」と笑う。小さいころからリーダー役を買って出たことはなかったという。小学校の遠足で副リーダーをやった経験があるくらいだ。

 だからキャプテンであることを無理に意識していない。いい影響を与えているベテラン選手が周りにたくさんいるのだからと気負わない。

 プレーでもそうだ。無理に意識しない。J記録を更新した連続無失点がホームのサガン鳥栖戦(4月18日)で止まっても、次のガンバ大阪戦ではまたクリーンシートを達成している。

「いつかはやられるだろうなと思って実際に鳥栖戦でやられたらクソーッとなる。次の試合に対して切り替えがみんなできていました」

クラブの公式ツイッターが「次節もマルと共に」

 あのときもそうだった。

 ゴールデンウイークに行なわれた川崎フロンターレとの1、2位対決2連戦(4月29日、5月4日)。ホームの初戦で0ー4と大敗を喫し、アウェーに舞台を移しての2試合目も後半5分まで0ー2という展開。さらにはGKランゲラックに送ったつもりの丸山のバックパスが痛恨のオウンゴールで3失点目を喫してしまう。

 メンタル的には最悪だ。前の試合から7失点目で、それも自分のパスミスがオウンゴールになるなんて。

「(オウンゴールとなって)行こう、行こうって声掛けしましたけど、もう全然、カラ元気ですよ。心のなかは“やってしまった”だけ。そのあとポンポンと点が入って、頼むからもう1点入れてくれと思ってましたけど、残念ながら祈り叶わずでした」

 何とか持ち直そうとした。クラブの公式ツイッターは「次節もマルと共に」と発信され、これまで何度もチームを救ってきた丸山のミスをフォローしている。

【次ページ】 気がつけば丸山もチームも開き直っていた

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丸山祐市
名古屋グランパス

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