酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平の“奇跡ぶり”が分かる「MLBオールスターとの成績比較」 ゲレーロやタティスら“Jr勢”、デグロムやダルビッシュも凄いが…
posted2021/07/15 17:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Matt Dirksen/Colorado Rockies/Getty Images
大谷翔平が出場したMLBのホームランダービーを久々に食い入るように見て、筆者は「ホームランダービーと実戦のホームランは別物」だと改めて思った。
ホームランダービーを制したのは前回(2019年)に続き、メッツのピート・アロンソだった。大谷翔平と同い年。2019年にルーキーでいきなり53本塁打を打って本塁打王になった。ただ今季は、17本塁打49打点、打率.250と今一つの成績で、オールスターには選出されず。ホームランダービーにだけ出場した。
アロンソは時々音楽に合わせて軽く踊って見せるなど、終始リラックスしていて、軽やかなスイングでスタンドに放り込んでいた。
決勝の相手のオリオールズのトレイ・マンシーニは大腸ガンを克服したことで知られるが、彼もオールスターには選出されず、ホームランダービーだけの出場だった。
大谷翔平は、試合と同じようにボールを潰すようにフルスイングしていたが、この2人はもっと軽やかで「ホームランダービー職人」という感じだった。
イチローもHRダービーに誘われていた
剛腕投手が技と力の限りを尽くして投げ込む球を打ち返す公式戦とは異なり、ホームランダービーはバッティング投手の投げる緩い球を打つ競争だ。アロンソのバッティング投手を務めたチームスタッフのシャウスは64歳、ほい、ほい、ほいという感じで投げていたが、必要なのはリズムなのだろう。
そういえばイチローは、何度も「ホームランダービーに出てみないか」と誘われていた。試合前の打撃練習で何本もスタンドに放り込んでいたからだ。
引退直前だった2019年3月の東京ドームの試合前にも、気持ちよさそうにサク越えを連発していた。イチローはその抜群のミート力でボールをバットに乗せてゴルフのようなスイングでスタンドに運んでいたのだ。イチローは出場を固辞したが、出場していればひょっとして優勝したかもしれない。
大谷はどんなライバルと鎬を削っているのか?
オールスターゲームで大谷翔平は、両リーグのライバルたちに対面した。今、大谷翔平はどんな選手と鎬を削り、超一流と比べて大谷はどれほど素晴らしい成績を残しているのか?
記録サイト「FanGraphs」による選手の総合評価「WAR」のランキングを見てみよう。