競馬PRESSBACK NUMBER
2週間の隔離でも「乗せてもらえるなら行きます」ルメールが宝塚記念で感じた、クロノジェネシス“凱旋門賞”への確かな手応え
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2021/07/18 06:00
急遽代打を任されたルメールは、宝塚記念で見事クロノジェネシスを一着に導いた
「(新型コロナウィルスの関係で)帰国時に2週間の自主隔離があるとしても、乗せていただけるのであれば行きます」
過去に凱旋門賞で好走したディープインパクト(2006年3位入線、後に失格)やナカヤマフェスタ(2010年2着)、オルフェーヴル(2012、2013年共に2着)がいずれも宝塚記念の覇者である事を伝えると、ルメール騎手は言った。
「それは知りませんでした。でも、同じ右回りだし、距離も似たような感じ(宝塚記念は2200メートルで凱旋門賞は2400メートル)なので偶然ではないでしょう。だとすればクロノジェネシスも充分にチャンスはあるでしょう」
ちなみにクロノジェネシスの父バゴは2004年の凱旋門賞勝ち馬。当時25歳でフランスの若手騎手として頭角を現して来たルメール騎手は、そのレースでブルーカナリに騎乗していた。
「ブルーカナリはパスカル・バリー厩舎のフランスダービー馬ですが、全くかないませんでした(12着)。あれから随分、時間が経ちましたが、今度はその時の勝ち馬の子供で挑戦したいですね」
「上半期より下半期の方が多く勝てるのが僕のパターン」
さて、今年の100勝達成に話を戻そう。先々週の競馬は土曜日が未勝利で日曜日もメインレースの前までただの1度も先頭でのゴールは出来ていなかった。前の週からリーチのかかっていた100勝だが、なかなか到達出来ずにいたのだ。そんな内容も受けて、ルメール騎手は言う。
「先々週だけでなく、本当はその前の週に(年間100勝を)決めていなくてはいけなかったけど、取りこぼしもありました。だから自分としては1週遅い達成になってしまったと感じていました。それでも過去最高のペースだったのは良かったです。例年、上半期より下半期の方が多く勝てるのが僕のパターンなので、7月に入ってすぐに100勝になったのは悪くありません。夏も秋もまた一段と頑張ります!!」
過去最速だった昨年よりも1週早く大台に乗せたリーディングジョッキーの後半戦の活躍に、ますます注目したい。