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2週間の隔離でも「乗せてもらえるなら行きます」ルメールが宝塚記念で感じた、クロノジェネシス“凱旋門賞”への確かな手応え
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2021/07/18 06:00
急遽代打を任されたルメールは、宝塚記念で見事クロノジェネシスを一着に導いた
彼女がディフェンディングチャンピオンである事も、ルメール騎手には心強かったと続ける。
「宝塚記念の舞台となるのは阪神競馬場の芝2200メートル。内回りコースです。馬の力が存分に発揮出来る外回りと違って、内回りだと勝つためにはある程度、動かしていかなければいけません。それが僕のスタイルにはあまりあっていない。正直に言うと内回りコースはあまり好きではないんです。
自身が宝塚記念をこれまで勝っていないのも偶然ではないという事だろう。そして、だからこそ、前年の勝ち馬という点が「心強かった」のだ。ルメール騎手は次のように続けると、笑ってみせた。
「僕があまり好きではないコースだけど、走る馬の方は得意としている。逆(ルメール騎手は好きだけど、馬が苦手としているコース)よりもずっと良いと思いました」
「緩い馬場になればなおさら楽しみ」という思いで迎えた当日は、軽い降雨があったものの馬場状態は「良」発表。それでも、自信を持って臨んだと言う。
「スタートが決まって好位で流れに乗れました。勝負どころで前が早目に動いて行った時は少し離されそうになったけど、手を動かしたら反応してくれました。最後、エンジンがかかってからは本当に良い脚で伸びてくれました」
こうして代打でしっかりとホームランを放ち、クロノジェネシスのグランプリ3連覇に貢献した。
凱旋門賞でも、「十分にチャンスはある」
秋にはフランスへ飛び、凱旋門賞に挑戦する計画も出ている。果たしてその時の鞍上もルメール騎手が任されるのかは本人も「分からない」と言う。ただ、次のように続ける。