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壮絶なイジメ、解雇事件…絶対的エース・大林素子はバレーでいかに“復讐”したのか「信用したって点はとれない」 

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河崎環

河崎環Tamaki Kawasaki

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2021/07/14 11:04

壮絶なイジメ、解雇事件…絶対的エース・大林素子はバレーでいかに“復讐”したのか「信用したって点はとれない」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

現役引退から25年が経った大林素子さん(54)

 アスリートとしてのキャリアを振り返りながら、大林は「私は運があるとは全然思っていなくて、運は逆に持っていないと思うので、努力するしかないんですよ」と言う。そう、痛々しいくらいに、ひたすら努力をしている人なのだ。

「スポーツは人を信用するものではないので」

「誰も助けてくれない、ちやほやもされた人生じゃないので、自分でやるしかない。それは子どもの時も、今もそう。どちらかと言うと温厚で闘争心がない方なんですが、自分の中で絶対に妥協はしないし、絶対にブレない。頼りたいけれど無理なんだというのは、もう痛いほど知っているんで。一切人に相談もしないです。親にも。そういった意味で、(心を)閉ざしているところもあるのかな……。

 やっぱりいじめられてた者として、人を信用できないんです。スポーツは人を信用するものではないので。仲間はコート上では信用するけど、信用したって点はとれない。最後は自分がやれるか」

 一気に喋った大林は、ふと言葉を切って一息ついた。「本当は(自分の)そういうところがすごくしんどいんですよ。泣くこともそうだけど、色んな意味で甘えることが苦手なんだと思います。甘えたところで、じゃあ、何が得られるの? って、思ってしまうんです。その場の逃げじゃん、って」。

 肉体と精神を鍛錬した女性アスリートには、どこか自己完結したところがあるかもしれない。それはやはり、戦場では徹底的に自分ひとりでしかないことを知り、闘う者の孤独を知っているからなのだろう。そしてこの孤独なアスリートは、バレーボーラー引退後の第2の人生で、本人以外誰も予想しなかったキャリアを実現することとなる。

(【続きを読む】 女優・大林素子に聞く“芸能界のオリンピックは?”「私はまだ市民大会にも出られていないくらいの実感ですね」へ)

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