先手は1筋、後手は9筋とお互い端を攻める展開でした。互角に見えるやりとりですが、先手の藤井二冠はその中で角を失う展開になり、その中盤ではっきり差がついてしまった。こうなると、粘る展開にもしにくいです。とはいえ豊島竜王も、優勢になってからも本当に完璧な指し回しだったのですが。

当初「相性はないのでは」と思っていましたが

　これは後編のテーマにもつながりますが、やはり……相性的なものはあるのかな、と。最近よく取り上げられていますが、7月11日時点での藤井二冠から見た対局成績、そして渡辺名人と豊島竜王の対局成績は以下の通りです。

　＜藤井二冠から見た対戦成績＞

　渡辺名人：8勝1敗

　豊島竜王：1勝7敗

　渡辺名人21勝－豊島竜王14勝

　私自身は王位戦が始まるまで、どちらかと言えば「そういったものはないのでは」という立場で、第1局を見てから判断しようと考えていました。ただこういった結果になると……。将棋ファンの方も気になっているかと思いますので、私なりの考えを伝えていければと思います。

　＜後編に続く。関連記事からもご覧になれます＞

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