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コケたのに日本記録!? 順大駅伝監督が語る、男子3000m障害・三浦龍司の「“イレギュラー”への対応力」
text by
加藤康博Yasuhiro Kato
photograph byAFLO
posted2021/07/07 11:02
途中、転倒するシーンがありながら日本記録を更新した三浦龍司
「“これだけやれるんだ”という可能性を感じて欲しい」
今季の世界ランキングでは8分8秒54の記録を持つS・エルバッカリ(モロッコ)を筆頭に8分10秒台を切る選手が3人、8分15秒以内で言えば8人いる(6月29日時点)。まずは予選通過が最初の目標になるが、通常、予選はスローペースで入り、後半のスプリント勝負で通過者が決まることが多い。加えて今回の東京五輪男子3000mSCは陸上競技の最初の種目として7月30日午前9時からの競技開始。朝の早いレースだけにハイペースで進むことは考えにくく、ラストに強い三浦にも十分にチャンスがある。そして決勝では世界一を競うハイペースや矯激なペース変化の中でどこまで対応できるか。そこに挑戦する姿を想像するだけで期待に胸が高まる。
「三浦はまだ自分の力を低く見ているところがあり、可能性に蓋をしていると感じることがあります。東京五輪では世界との差は感じるでしょうが、“これだけやれるんだ”という可能性を感じて欲しいと思いますし、“自分はもっとやれる”という実感を持ち帰ってきてくれればと考えています」(長門監督)
この19歳にとってここが世界への挑戦のスタートラインなのだ。臆することなく、東京の舞台を駆け抜けて欲しい。