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母となった横峯さくら「私が守らなきゃいけないなって」出産後わずか3カ月でツアー復帰、その過程をメモに残した理由
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2021/07/07 11:00
満開の桜の下で息子を抱く母・横峯さくら。制限ある中での撮影となったが、幸せなひとときを写真におさめることができた
本格的な練習を再開したといっても、「(妊娠前は)普通に100回ぐらいしていたので、衝撃でした」と、腹筋の1回すらも出来ない自分の身体に驚きもあった。
それでも、出産の影響で骨盤がずっと開いている状態に気がつくと、骨盤を閉める、つまり内股のイメージをしながらトレーニングに取り組んできた。
出産は女性の体にとって大きな出来事である。心にも身体にも大きな変化が現れるとあって、それがアスリートであればなおさらだ。
「理学療法士の方から教わって、(出産から)最初の1カ月は何もしないことにしました。徐々に姿勢のトレーニングを始め、姿勢の軸ができたら、スイングの練習に移行しました」
プロゴルファーとしての普通の練習が出来るようになるまでしっかり段階を踏んだことで、今のところ怪我とは無縁だという。
家族のサポートがあったからこそ
また、出産から約3カ月後に復帰戦に出場できる状態まで仕上げることができたのは、家族のサポートあってのことだ。
「私が練習している間、夫が息子の面倒を見てくれています。(アスリートにとって睡眠は大事なので)、夜中に息子が起きた時に世話をするのも夫です。ゴルフ場でラウンドする時には、夫の両親が息子を預かってくれることもあります」
横峯は練習やトレーニングを終えると、今度は夫と交代して息子の面倒を見る。
「子供のことが一番になったので、今は自分の時間なんて考えられないですね。スマホは時計代わりにしか見なくなりました。そこが出産前と一番変わったかな。食事に関しても、夫と私、食べ終えた方から(息子を)見るみたいな。温かいものをゆっくり食べる暇はないです」
練習時間は妊娠前の3分の1程度に減った。妊娠前のように、1日中ずっとゴルフ場にいることはない。それでも、横峯がゴルフを続けるのには理由がある。
「米ツアーに参戦して、価値観が変化したからです」