ゴルフPRESSBACK NUMBER
「プロとしての責務を…」無言で立ち去るデシャンボーを米メディアが批判…選手とメディアの関係で“必要なこと”とは?
posted2021/07/06 17:00
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Getty Images
400ヤード・ドライブもやってのける無類の飛ばし屋、ブライソン・デシャンボーが「大丈夫だろうか?」と心配でならない。
心配なのは、彼の飛距離がさらに伸びるかどうかではない。
ここ1年半ほどの間に20キロ以上も増量した体重が、さらに増えるかどうかという話でもない。
気がかりなのは、デシャンボーの心の状態だ。
無言でコースを去ったデシャンボー
6月の全米オープンにディフェンディング・チャンピオンとして臨んだデシャンボーは、やや出遅れた初日のラウンド後、無言のまま90分間も練習場で球を打ち続けた。
2日目の朝には「夢を見た。夢の中で、ひらめいた」と笑顔で語り、ショットの際、インパクトゾーンを長く取ることで正確性が増すという「天の声」を信じて挑んだ2日目以降は、その通り、好調に転じた。
そして、首位から2打差で迎えた最終日は、8番でバーディーを奪うと、ついには単独首位へ浮上。大会連覇が期待され、ファンの興奮は頂点に達した。
しかし、それも束の間、11番からは3ホール連続でボギーとダブルボギーを喫し、パー4の17番ではダブルスコアの「8」を叩いて崩れ落ち、26位に甘んじた。
ホールアウト後、デシャンボーは米メディアを振り切り、無言でコースを去っていった。
そして翌々週、やはりディフェンディング・チャンピオンとして臨んだロケット・モーゲージ・クラシックの開幕前の会見で、全米オープン大崩れの理由を問われたデシャンボーは、「単に運が悪かっただけ」と答えて米メディアを煙に巻いた。