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プレーオフの末、1部昇格ならず…柴崎岳が語るレガネスでの1年「自分のプレーもスペイン色に染まっている」
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byGetty Images
posted2021/07/04 11:02
1部昇格をかけたプレーオフにはケガのため出場できなかった柴崎。2020-21シーズンは2得点3アシストという結果だった
「偶然コンディションがあがってきたのではない」
「常に目に見える結果、アシストを重ねていきたい気持ちはあるけど、それも昇格という目標につながってこそ。結局、昇格できなかったことに心は落ちていくし、結果として満足できるシーズンではなかった。序盤は僕を信頼してレガネスに呼んでくれたマルティ監督がいて、監督の意図を理解しながらやっていたけど連勝できず、チームも安定しなかった。
個人的にもいいプレーをしていたとは言い難い試合が多かったかな。ガリターノ監督に替わってから最初の何試合かはお互いに理解していなかった部分もあったので、練習や試合で発信していって、終盤はコンスタントに使ってくれるようになった。中盤でのプレーに関しては自分自身納得できるプレーも多かった。終盤も偶然コンディションがあがってきたのではなく、練習から具体性をもって取り組んできたことが実を結んだ部分もある」
「表現して伝わらないのなら、もうそれは仕方ない」
二人の監督の下、主にダブルボランチの一角として求められたのは攻守にわたる貢献だ。
「ダブルボランチというよりは、8番(インサイドハーフ)としてのプレーを求められた。僕とライバル関係の選手(パルド)も8番タイプの選手。ガリターノ監督になって最初の5試合でそれがはっきりと分かったから、逆算して練習でもそういうプレーを増やして、監督の言っていることだけでなくて、自分ができることや特性にも集中してプレーした。それを表現して伝わらないのなら、もうそれは仕方ないと。
練習からいいプレーができているという実感もあった。守備にも攻撃にも関わりながら、チームがスピード感を持って攻めている展開が多かったので、自分のところでタメを作って、攻撃に落ち着きをもたらしていく。終盤はそれがうまくできている試合が多く、結果もついてきたし個人的なプレーにもいい影響を与えていた」