球体とリズムBACK NUMBER
ベルギーのスゴさは攻撃陣+フェルマーレンら「守備マスター」 ロナウドらポルトガルに“シュート24本浴びても1-0”【EURO】
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2021/06/28 17:00
ベルトンゲン、フェルマーレンらの堅守でC・ロナウドを完封してEURO8強進出を決めたベルギー。優勝候補最有力なのは間違いない
W杯の日本戦とは真逆の展開だった
確かに、3年前のロシアW杯のラウンド16は真逆の展開だった──日本に2点を先行された後、3点を奪って逆転したことは、これを読んでいるすべての人がはっきりと覚えているはずだ。
自身のオフィスにあの大逆転劇を締めくくったナセル・シャドリのゴールの大きな写真を飾っているという監督は(近年のベルギー・フットボールにおいて、最も重要な瞬間だったと認知されているそうだ)、EURO2020に唯一出場しているJリーガーでチーム最年長のトーマス・フェルマーレンについても言及した。
「大会前、うちの守備陣が頻繁に疑問視されていたが、私は彼らを心配したことなど、一度もない。トーマス・フェルマーレン、ヤン・ベルトンゲン、トビー・アルデルワイレルトは、最高の守備のマスターだ。彼らの経験と能力なくして、今日の勝利はなかった。ベルギーでは、彼らが今もベストの守備者たちだ。年下のデドリック・ボヤタ、ジェイソン・デナイエル、レアンデル・デンドンカーは日々、彼らから多くを学んでいる。彼らベテランは長年、この仕事にすべてを捧げてきたのだ。そして今日、その価値を証明してくれた」
次の8強の相手は好調のイタリアと、決勝戦の連続のようなスケジュールが続く。この日、デブライネとエデン・アザールが負傷交代しており、不安は拭えない。それでも、黄金世代が揃う最後の桧舞台に、堅実な勝ち方も見せたベルギーは、またひとつ成長の跡を見せた。日本やJリーグとも縁のあるチームの足取りを、しかと見届けたい。