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5年前のEUROヒーローは今<若手編> 当時18歳レナト・サンチェスはフランス経由で復活、ポーランドの新鋭は…
posted2021/06/17 17:04
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Takuya Sugiyama
欧州最強国を決める戦いは、UEFAチャンピオンズリーグやワールドカップと並んで、最大のショーケースとなることがある。
国を代表する覚悟や能力を示し、世界中に注目される大舞台で結果を残すことは、メガクラブにとって信頼に足るからだ。
若くしてそのような大会で活躍した選手は、大会後にステップアップするというのが自然な流れで、そのうちの一部は挫折する。
メガクラブの選手層に埋もれて出場機会を失うこと、メディアやファンが与えるプレッシャーは、時に未熟な選手の成長曲線を大きく狂わせる。数年前の若手有望株の名前を聞かなくなるというのはよくある話なのだ。
昨季10シーズンぶりのリーグアン制覇を成し遂げたリールに、見覚えのあるドレッドヘアーがいる。
レナト・サンチェス。
当時18歳でEURO2016に出場。優勝したポルトガル代表の一員として6試合に出場し、準々決勝以降は先発でピッチに立ち続けたMFだ。
大会ブレイク組の筆頭もバイエルンでは…
大会前から、ベンフィカでプレーしていた少年にはメガクラブからの視線が向けられていたが、欧州制覇を経てそれは確信へと変わった。EURO2016ブレイク組の筆頭といってもいいだろう。
大会後にはバイエルンが3500万ユーロの移籍金を払って獲得している。
しかしシャビ・アロンソ、チアゴ・アルカンタラ、アルトゥーロ・ビダルら経験豊富な選手たちの中に割って入ることは難しかった。16-17シーズンはリーグ戦17試合に出場したが、ほとんどが途中出場で大きなインパクトを残せず。
翌シーズンにはプレミアリーグのスウォンジーにローン移籍するも、1月にハムストリングを負傷して以降は全く出場機会が与えられず、もちろんシーズン終了後のロシアW杯でも選外となった。