疲労骨折から復帰した中西大翔は独走

　一方で、収穫もあった。

　まずは、第1組を走った中西大翔。今年の箱根駅伝はエース区間の2区を走っており、本来は、各校の主力が登場する第3組か第4組を担うべき選手だが、今年の箱根の後に右足の親指の付け根を疲労骨折していた。5月の初めに復帰したばかりだったために、第1組に起用された。

中西大翔

「中盤からきつくなってしまった。思ったよりもタイム差が開かなかったので、少し悔しいです」

　中西は反省を口にするが、500mから独走で、組1着でフィニッシュした。2位には14秒もの差を付けた。まだまだ復活の半ばだが、短い期間できっちりと選考会に合わせ、國學院大の主力の1人として、格の違いを見せつけた。

1年生ながら強いインパクトを残した平林清澄

　中西の代わりに第3組を走ったのは、1年生の平林清澄と2年生の伊地知賢造。平林は、4月に10000mで28分38秒88という好記録を叩き出した成長株で、関東インカレを回避して、この選考会に照準を合わせてきた。

「余裕があれば、出るというプランで、このタイミングならいけると思った」

　残り2000mを切って、平林は実力者を相手に仕掛け、大きなリードを奪った。最後は中央学大の2人にかわされ3着になり、「ラストの課題は残り、悔しいレースになりました」と悔やんだが、1年生としては十分過ぎるほどの働きぶりだっただろう。何よりも、強いインパクトを残した。

平林清澄

　また、大学駅伝未経験の3年生、川崎康生と坂本健悟も、第1組と第2組でともに10着と、きっちり走り切った。秋からの駅伝シーズンでも戦力になってきそうだ。
 

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