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飛び級招集、西川周作とのレッズ守護神争い…末恐ろしい18歳GK鈴木彩艶の武器とは?「自分がされて嬉しいことを人にしていきたい」
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byGetty Images
posted2021/06/27 11:04
浦和での出場機会を掴み、東京五輪の最終選考に名乗りを上げた鈴木彩艶(18歳)。バックアップメンバーとして、最善を尽くすことを誓った
昨年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、目標にしていた「AFC U-19選手権」と「U-20W杯」の中止が決まった。それでも「(浦和の)浜野征哉GKコーチと『東京五輪を目指すべきだ』という話になり、そこからターゲットを切り替えていた」と、メンバー入りに向けて研鑽を続けてきた。
浦和でレギュラーを掴んだ後も、西川や塩田仁史といった先輩たちの助言に耳を傾けている。
「自分自身を気持ちよくピッチに送り出してくれますし、練習でもアドバイスをもらえる。GK同士で高め合えているので、チームのレベルアップにもつながると思う。僕も昨年は試合に出場できなかったけど、チーム、GKにいい影響が与えられるようにやって来たつもりなので、今こうして返って来ていると思います」
鈴木は東京の次、パリ五輪の中心世代でもある。「パリ五輪のことはまだ考えていなくて、今は東京五輪に全力を注ぎたいと思っています」と語るが、常に目標を見据えてきた鈴木は、自分が牽引する番だということをわかっているだろう。
「海外のサッカーを見ると、年齢云々という考え方がなくて、本当に良いGKがどんどん試合に出場している。まだ自分は世界に通用するレベルではないですが、もっと高めていって、早くA代表にかかわっていけるようにしないといけないと思っています」
終始、落ち着き払った振る舞いだが、目には強い意志を感じる。もしかしたら、我々が見たことのない景色をこの18歳は捉えているのかもしれない。鈴木彩艶という可能性に期待している。