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飛び級招集、西川周作とのレッズ守護神争い…末恐ろしい18歳GK鈴木彩艶の武器とは?「自分がされて嬉しいことを人にしていきたい」
posted2021/06/27 11:04
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Getty Images
惜しくも最終メンバーには名を連ねることができなかった。
浦和レッズの18歳守護神・鈴木彩艶(ざいおん)はバックアップメンバーとして東京五輪に同行することになった。
「伝えられた時は、意外とすぐに受け入れることができました。もちろん悔しさはありましたが、バックアップメンバーに選ばれている以上、チャンスはゼロではないですし、ポジティブに捉えることができています」
メンバー発表から2日後の24日、鈴木は個別インタビューで淡々とこう答えた。
西川に代わって守護神の座に
今年に入って彼の置かれた状況は一変した。
セカンドGKとして開幕ベンチ入りすると、3月2日のルヴァンカップでプロデビュー(GKとしてクラブ最年少出場記録)。リーグ戦では5月9日のJ1第13節ベガルタ仙台戦でスタメン出場を果たし、それ以降はレギュラーに定着。長年、浦和の守護神として君臨し続けてきた日本代表GK西川周作を押しのけて、鈴木がレッズのゴールマウスを守り続けている。
かねてからその高いポテンシャルには注目が集まっていたが、あれよあれよという間にステージを登り続けた。実戦で生きた経験を積み重ねていった鈴木は、ついには東京五輪の最終メンバー候補に名乗りを上げ、5月末~6月にかけて行われた“最終テスト”の場にこの世代のチームで初めて招集された。
最終的には18人には残れなかったものの、メンバー発表前の最後の試合となったジャマイカ戦では後半からゴールマウスを守るなど、むしろそのポテンシャルが高く評価されていることが証明された形となった。