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ラグビー新チーム『静岡ブルーレヴズ』に感じる情熱…引退・五郎丸歩が信じる“ワクワクする感覚”とは?【エコパの熱狂】
posted2021/06/25 17:02
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Nobuhiko Otomo
熱気が充満していた。
6月23日。静岡県庁別館2階会議室。行われていたのは、2022年1月にスタートする予定のラグビー新リーグ参戦に向け、ヤマハ発動機ジュビロが立ち上げたばかりの新会社設立会見だった。
新会社の舵取りを任された山谷拓志(やまや・たかし)社長が新リーグに参戦するチーム名と社名を発表した。
「静岡ブルーレヴズ」
バックボードの白い布が外され、新チーム名そして新会社の名前とロゴが現れた。そこには親会社たる「ヤマハ発動機」の名も、これまでのチーム名「ジュビロ」も、ホームグラウンドのある地元の地名「磐田」もなかった。まったく新しい名前。そこには、新リーグを戦うだけではない理念が込められていた。
山谷社長が口を開く。
「ブルーはヤマハ発動機ジュビロのチームカラーで、その伝統を引き継ぐ。レヴズはヤマハ発動機という会社のキャッチフレーズ『Revs your Heart』、情熱を呼び起こすという言葉から、チームのニックネームとさせていただきました」
本社は磐田駅前のビルに置き、本拠地も従来通り磐田市大久保、サッカーJ1ジュビロ磐田のグラウンドに隣接するグラウンドとクラブハウスを使用する。試合会場も磐田市のヤマハスタジアムと袋井市の静岡スタジアム・エコパをホームスタジアムとする予定だが、チーム名にはあえて「静岡」と広域の県名をつけた。
「ホストエリアは静岡県全域です。試合をする拠点は県西部の方ですが、チームの活動拠点は静岡県全域と考えています」(山谷社長)
静岡県は東西に長い。東から伊豆、駿河、遠州(遠江)と旧3カ国からなり、言葉も気質も微妙に違う。県都静岡や清水、焼津など県中部から見ると、ヤマハスタジアムのある磐田やエコパのある袋井などの西部は生活圏からちょっと遠い。だが、だからこそ、新会社は「静岡」と、県全域を包括する名を冠した。
西部のチームじゃない、静岡全部のチームなんだと。